劣化診断レポートその1 | 地元密着の住宅塗装のお店「プロタイムズ小山店」

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さて、またまた突然の新コーナーを始めます。

普段行っている劣化診断ですが、せっかくですのでその中で実際に見られる劣化症状を一部ですがご紹介します。実際に塗り替えをお考えの皆様のお役にたてればと思います。


本日ご紹介するのは 「凍害」 です。


窯業系のサイディングに見られる劣化現象です。

(当ブログでも何度かご紹介したかもしれません。)

どの様な症状かというと、下の写真のような感じです。




サイディング板自体がふやけて、表面の塗膜だけでなく、板自体の表層部分がはがれ落ちています。


原因は、サイディングの裏側の通気不足(直張り工法)により、サイディングの裏側から吸収した湿気などの水分の逃げ道が無く、板の表面にそのまま出てこようとして、表面塗膜を浮き上がらせます(塗膜の剥離)。また、冬に氷点下の気温になるようなところではサイディング板の裏面から吸込んだ水分が凍ったり溶けたりの繰り返しで、サイディング板自体をボロボロにしてしまいます(凍害)。

根本的に治療するには通気層を確保するようにサイディングを新しく貼り直す(通気構法・・・「工法」ではありません!)しかありませんが、かなり大掛かりな工事になってしまいます。再発する可能性が高いと言う事を了解のうえで、再塗装のみで納めるケースも正直有ります。(でも、しつこいようですが根本的な治療にはなりません。サイディングの下地の板や更にその下の梁や柱などの構造体の状態も水分の影響を受けていないか心配です。)

※簡単に、「補修して塗装すれば大丈夫です。治まりますよ」という事は絶対に言えません。
 もしそのような説明をした人がいたとしたら、かなり無責任と言わざるを得ません。

※通気構法は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(略称:品確法  2000年4月1日から施行)において標準工法なりましたので、それ以降に建てられた住宅は外壁通気構法になっている場合が多いと思います。


これらの劣化症状は特に、日当たりの良くない北面のお風呂場(などの水回り)の窓下に良く発生します。注意して見てみて下さい。ちなみに上の写真は、お風呂場の窓下でした。今回の場合、サッシ周りの防水も切れているかもしれません。(それが凍害をより加速した恐れが有ります。)


また、凍害が既に出ているような外壁を、通気性の良くない弾性塗料(全ての弾性塗料が通気が悪いという事ではありません)で塗り替えると、凍害がさらに激しく出る場合が有ります。
ですので、凍害や部分的な塗膜剥離が出ている外壁なのに弾性系の塗料の提案が業者からあった場合にはちょっと注意が必要です。今以上に症状が悪化しかねません。