多色サイディングの塗替えについて考える | 地元密着の住宅塗装のお店「プロタイムズ小山店」

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多色サイディングとは、タイル調やレンガ調、石材調に色付けした、こんな感じのサイディング板です。


(写真出典:ニチハ株式会社ホームページより)


さて、この多色サイディングですが、通常の塗料で塗ってしまうと、1色(単色)での塗りつぶしになり、当然既存の複雑な色模様は無くなってしまいます。多色の壁を見慣れた方には少々単調に感じてしまうかもしれません。そこで、よく提案されるのが、「クリヤー」仕上げです。透明な塗料を塗って仕上げますので、既存の色模様をそのまま活かす事が出来ます。



これは多色サイディング板の上にクリヤー塗装をしたサンプルです。


いちばん右側が既存のサイディング板素地そのまま
真ん中が「
3分つや有り
クリヤー仕上げ」 ※3分つや・・・「つや有り」の3割程度のつや
左側が「つや有りクリヤー仕上げ」

ピカピカのつや有りがいいか、つやを落とした3部つや有りがいいか、好みが分かれるところです。

クリヤー仕上げの注意点
透明仕上げですので、パテやシーリング材で補修したり、高圧水洗浄などで取りきれない汚れなどはそのまま表現されてしまいます。
ですので、サイディング板自体が、割れ欠けヒビなどの劣化や汚れがほとんど無いような良好な状態の
場合でないとあまりお勧めはできません。

提案②
クリヤーでもなく単色仕上げでもない塗装方法も有ります。
多彩模様塗料仕上げです。

このような感じに仕上がる塗料を塗る方法です。


(写真出典:株式会社アステックペイントジャパン 商品名:グラナートSP)


今までの色模様は無くなりますが、新たに違う多彩模様を表現する事が出来ますので、単色仕上げのように単調にはなりません。

「グラナートSP」で塗り替えた場合の工程出しサンプルがこちらです。



①既存サイディング板面
②下塗
③中塗り
④仕上げ塗り

この写真ちょっとテカってしまって色模様が良く分からないですね。すみません。


多彩模様仕上げの注意点
後々の補修作業が難しい。(補修跡が目立ちやすい)
補修が容易で、跡が目立ち難いのは何と言っても単色仕上げです。
目地シーリング部分の上に塗られた塗膜は後々ひび割れる可能性が有りますので、万一塗膜が割れても目立たないようにシーリングを打ち替える場合は、仕上げの色に近い色のシーリング材を使用してもらった方が良いかもしれません。

その他
ローラーだけでサイディング板の凹凸を塗り分ける方法。
例えば、タイル模様のサイディング板などでやっている業者さんがいるようです。
一度全体をA色で塗りつぶした後、凸部だけをB色で、ローラーをそーっと転がして塗るやり方です。
弊社はやった事は有りません。ご依頼があればやりますが、積極的なご提案はしておりません。

他社さんの実際の施工工程は分からないのですが、注意すべきポイントは有りそうです。

注意ポイント(1)塗布量と塗り回数
この方法は、最後の仕上げ塗りを毛の短いローラーで行います。ですので、気持ち塗布量が少ないのではないかと思います。

※一般的な塗装工程・・・下塗1回・中塗り1回・仕上げ塗り1回 (計3回塗り)

もっとも、中塗りを2回塗るとか、仕上げ塗りを2回塗るなら別ですが。
でも仕上げ塗りを2回もやると(凸部だけをそーっと塗る方法なので)、それを2回もやったら、凹部も塗り込んでしまうリスクが上がります。(きれいに塗り分けられない?)

注意ポイント(2)色の「透け」の問題
中塗りは、タイル模様の凹部=目地部分の色になりますので、比較的濃い色が選ばれますが、その上に塗る仕上げの色があまり淡い色だと、下地の濃い色が透けてあまりきれいに仕上がらない恐れが有ります。仕上げ塗りを2回塗るなら別ですが・・・以下上述の通り。

結論としては、塗布回数を増やすなりして、しっかりと塗布量を確保してもらう事が重要です。
塗布量不足は塗装面の早期劣化に直結します。

仕上げの色の「透け・ムラ」は色に依るので必ずそうなるとは言い切れませんが、仕上げ塗りが毛の短いローラーで1回塗りなんかだったら、それこそ透けにくい色の組み合わせにしなければなりませんので、その辺りの話を事前に業者さんとよく打合せした方が良いと思います。
可能なら、壁の一部に実際に試験塗りしてもらうなども一つの方法です。