先日びっくりしたことがあってさ。
刑務所から無事に戻ってきた後輩が
面会に来てくれたのだけど、
その時に
「ちょっとこれを見て下さい」
と言って、
面会室のアクリル板越しに
突然写真をかざしてきたんだ。
そして俺がそれに
釣られるように目をやると、
どっかで見たことのある人が
写っているなと思ったら、
何とそれが父だった！
思わず驚いて、
「なんでお前がこんな写真
持ってんの？」と
俺がその後輩に尋ねると、
「自分の父は太一君の
お父さんの後輩だったみたいです。
父が太一君のお父さんの後輩で、
自分が太一君の後輩だなんて
すごくないですか!?」と
答えてくれたのだけど、
本当にその通りだ。
陳腐な表現になってしまうが、
こんなのが運命って
やつなのかもしれないよな。
やっぱり巡り合わせというのは
あると思う。
「不良録」で父のことに
触れるまで、
後輩達にも父の話は
一切してこなかったから、
もし俺がもっと早くに
父のことを周りに話していたら、
俺の知らない父の話を
もっともっと
聞けていたかもしれない。
そう思うと残念にも思うが、
まぁこれはこれで
よかったのかもしれないと
思いたい自分もいる。
あー、面会時間関係なく、
もっといろいろと話を
聞きたかったなー。
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