残土業者の不自然な言い訳 | 館山市議会議員「石井としひろ」のブログ

残土業者の不自然な言い訳

先のブログ「検証!坂田の虚偽搬入」では、8ヶ所の虚偽搬入疑惑について取り上げました。

http://ameblo.jp/ishiitoshihiro/entry-11636941309.html

これは、坂田残土処分場の取り消し訴訟でも取り上げられ、残土業者も弁明を行っています。

【館山市坂田の残土搬入に関して㈱服部回漕店が千葉県にした届出と、神奈川県・東京都における残土発生元の「相違」一覧表】

相違
24-1 泉区岡津町造成工事で、元請けが違っていることに関しては、施主が(株)ダイワプロジェクトで、元請けが(株)相澤組だと主張しています。しかし、その証拠は提示されていないので、残土業者がそう言っているだけで十分な根拠はありません。


24-6 セイガステージ千歳船橋新築工事で、搬出と搬入の期間がズレていることに関しては、仮置きしていたからだと主張しています。しかし、どこに仮置きしたのかの説明もなく、そもそも土砂等管理台帳を見ても、「県外たい積場」を経由したという記載はなく、主張は矛盾しています。

24-7及び24-23 金沢区富岡東5丁目共同住宅建設工事新築工事の搬出と搬入土量の違いについては、発生元事業者の(株)湘南建設が土量を間違えたと主張しています。しかし、予定である土砂等発生元証明書は、それを発行した(株)湘南建設が、神奈川県に提出した処理結果報告書で否定しています。ですから、残土業者がそう言っているだけで根拠はありません。
 なお、
(株)湘南建設が間違えていた場合、4,852立方メートルの残土を変更届け無く搬出したことにより、30万円以下の罰金刑となります。

④24-9 磯子区新杉田町開発計画において、発生元であるタカハシ(株)が神奈川県に提出した処理計画書及び処理結果報告書によると、残土の搬出先は千葉県市原市西国吉にある残土処分場になっていることに関して、残土業者は、千葉県市原市西国吉にある残土処分場が搬入届を出していないから、発生元であるタカハシ(株)の間違いであると主張しています。
 この主張にはそれなりの証拠が付いていたので、
タカハシ(株)が間違っている可能性はあります。その場合、タカハシ(株)は処理計画書の段階から虚偽届ということになり、50万円以下の罰金刑です。
 しかしながら、
タカハシ(株)は残土業者が搬入の根拠としている、タカハシ(株)が発行した土砂等発生元証明書の内容を、処理計画書及び処理結果報告書で否定しています。仮に、千葉県市原市西国吉に搬入されていないにせよ、館山市坂田に搬入されたという根拠は希薄です。いずれにせよ、発生元事業者が出していないとする残土を搬入することは有り得ないからです。
 なお、残土業者は3
036立方メートルを搬入したとしていますが、処理結果報告書が4941立方メートルとしている残土の量の違いに関しての言及はありません。残土業者は多く搬入してしまったのでしょうか。それとも、発生元事業者が間違えたと言いたいのでしょうか。まぁ、自分たちは間違えない、発生元が間違えていると主張するのが、この残土業者の体質です。

24-10 若林マンションⅡA棟新築工事と⑥24-10 若林マンションⅡB棟新築工事について、搬出と搬入の期間にズレがありますが、残土業者は例により、発生元の六国建創(株)が間違えたと主張しています。そうだとすると六国建創(株)は罰金刑です。しかしこれも、特段の証拠は提示されていません。処理結果報告書より証明能力の劣る土砂等発生元証明書を提出しているのみです。

⑦24-30及び24-31 横浜市戸塚区吉田町計画において、発生元事業者の(株)フジタが搬出の届けである処理計画書を出していませんが、残土業者は(株)フジタの間違いと主張しています。そうだとすると(株)フジタは罰金刑です。この件も、証拠能力の低い土砂等発生元証明書を提出しているくらいです。

⑧24-48 プレシス関内千歳公園新築工事において土量が相違することに関しては、残土業者は珍しく、相手が間違えたという論理を使っていません。404立方メートル多く搬入したことについては、掘削時にほぐれて体積が増加したからだとしています。そうならば、3割も体積が増加したことになります。しかし、ダンプの台数等から換算した土量ということですが、どういう数式から搬入量を出したのか積算の根拠は示されておりません。また、他の発生場所では、残土の量が一致しているものも多くありますが、そこでは体積の増加はなかったのでしょうか。言い分が不自然で信頼に値しません。


残土業者が拠り所にしているのは、
土砂等発生元証明書ですが、虚偽搬入が疑われる場所の多くのものは、「特定事業者名」「発生土砂等運搬契約者名」「発生土砂等埋立事業者名」の欄を残土業者が、あたかも発生元事業者が欄を埋めたかのようにゴム印を押しています。土砂等発生元証明書など所詮、予定に過ぎませんし、不備や偽装があれば証拠能力はありません。むしろ、土砂等発生元証明書を改ざんし、虚偽搬入(≒不法投棄)に及んだとしたら、極めて悪質な犯罪です。

前回のブログで、小松県議の質問を取り上げましたが、その中にもう1点以下のの質問がありました。

「条例では、発生元に搬出計画量しか求めていないため、実際の搬出量との照合もできず、確認できません。計画量のみではなく、実際の搬出量についても提出させるべきですが、どうか。

発生元の搬出計画とは、土砂等発生元証明書のことです。計画=予定なので、実際の搬出量とは違うことが多々あります。だから、実際の搬出量である、搬出結果報告も発生元事業者に提出させてはどうか、という質問です。

質問では触れていませんが、虚偽があった場合、刑事罰を規定すれば、発生元の結果報告も証明力が増します。現在の、土砂等発生元証明書では発生元事業者に刑事罰はありませんから、平気で空欄のまま不備な証明書を、良心の呵責も無いまま発行し続けています。発生元事業者のモラルにも大きな問題があるわけです。

結果報告といっても全然、難しい話ではありません。すでに、神奈川県の発生元事業者は、神奈川県に結果報告を提出しています。また、東京都では提出義務はありませんが、発生元事業者は法令に基づき「再生資源利用促進実施書」を記載しており、搬出先も把握しております。これらの書類を千葉県に提出することを発生元事業者に義務付けるだけでも効果があります。

さて、「提出させるべきか、どうか」という小松県議の質問に、中島輝夫環境生活部長の答弁は「べきだ、とも、べきでない」とも述べていません。またまた、答弁拒否です。こういった日本語のやり取りが出来ないのか、おそらく故意に答弁を逃れたのでしょうが、本当に県の残土行政は悪質です。