鐔鳴りの直し方 | 平成の侍 町井勲オフィシャルブログ『居愛道』Powered by Ameba

鐔鳴りの直し方

鐔鳴りの直し方

居合や試斬で刀を振っていると、目釘竹が傷んだり、中心と鐔の磨耗によって鐔鳴りがどうしても起きるものです。
これを直す方法として、居合や試斬を嗜む人の殆どが、皮やゴム、厚紙などで切羽を作り、加増して鐔鳴りを直しています…

これは一番やってはならないことです。
厚い鐔から薄い鐔に交換した場合は、切羽の増加はやむをえないとして、キッチリ納まっていたものが鐔鳴りを起こした場合、これに増加することは、柄の中で僅かな隙ができ、柄自体を傷めることになるのです。

お手持ちの刀の鐔鳴りが気になる場合は、専門職に依頼して責金をしてもらうか、予算の都合でそれができないのであれば、中心穴に鉛をかませるか、もっとてっとり早い方法としては、ホームセンターで入手できるグルーガンを使って中心穴の上下に、簡易的な責金をすることです。
グルーガンの樹脂は時代物の鐔にも優しく、不要になった時には簡単に取り外すことができます。
餅は餅屋という言葉があるように、素人が下手なことをするものではありません。

居合、試斬他、日本刀を使用される武術を嗜む方は、どうか心してください。



追記
切羽の増加で鐔鳴りを直すと、目釘穴が変形したり、広くなったりするばかりではなく、柄の中の隙が大きくなります。鐔鳴りははばき側、柄側の上下に隙ができることが原因ではなく、鐔と中心が磨耗して発生するので、その原因である鐔の中心穴を狭めることで修理しなければいけません。また、責金は鐔の中心穴の上下で行い、左右は葉書一枚くらいの隙を作るのが、銘の鏨枕を損なわず、最善の方法と古来からされています。美術刀剣の世界では、鏨枕の立ち方一つですら大切にするものです。
皆様が正しい知識を持たれることは、後の道を歩む後輩達に正しき道を示せるものと思いますので、是非この機会に覚えておいてください。










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