逆刃刀 | 平成の侍 町井勲オフィシャルブログ『居愛道』Powered by Ameba

逆刃刀

今回ご紹介するのは、俗に言う

『逆刃刀』

です。

逆刃刀と言えば、「るろうに剣心」という漫画が思い浮かばれますが、あの漫画に出てくるような逆刃刀は存在しません。

実は「るろうに剣心」の作者である和月伸宏氏の奥様、小説家の黒崎薫さんとは、ひょんなことからお知り合いになり、かれこれ15年ほどのお付き合いになります。

と、言いましても、そんなに頻繁に連絡を取り合うわけではありませんが(笑


黒崎さんのお宅で、共に「クラッシュバンディグー」というゲームに燃えた若き頃が懐かしいです(笑


黒崎さんに「るろうに剣心」に出てくる逆刃刀の由来について伺ったところ、青森のとある武家の家に、居合稽古用の真剣が残っており、これが棟の方をかなり鋭く卸していたらしく、そこから逆刃刀のアイデアが浮かんだのだそうです。

ちなみに知り合いの刀鍛冶のところには、小学生がやってきて

「刀鍛冶のおっちゃん、逆刃刀作ってや。」

とリクエストが入ったことがありました(笑


さて、前置きが長くなりましたが、日本刀史上、逆刃刀は存在します。

但し、これは華鉈と呼ばれるもので、正式には刀剣ではないのです。



茶室などでお花を活ける際、腰に帯びるものなのですが…


花の茎を切るのに、花鉈よりは鋏の方が使い易いことは明瞭です。

華鉈は華道に使用する道具という肩書きのもと、実は暗器として生まれたものなのです。


お茶やお華の世界では、武器の携帯を禁じられる場があります。

しかし、一大事の時のことを考慮し、心得ある武家は、華鉈を腰に帯びたのです。



「おや? こちらの席では御腰の物を指してはいけない決まりでございますが?」

「いやいや、これは腰の物ではござりませぬ。華の茎を切るに用います鉈にございます。」


などと言った、一休さん的な解釈のもと、万一の時に備え、武家の者は帯刀が許されない場に於いても、こうした暗器を腰に帯びていたのです。

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