ハイスピードカメラ撮影協力 | 平成の侍 町井勲オフィシャルブログ『居愛道』Powered by Ameba

ハイスピードカメラ撮影協力

午後よりハイスピードカメラ撮影の協力。

ハイスピードカメラを用い、刀で物体を裁断する瞬間を撮影するにあたり、協力してもらえる居合家を探しているということを知ったことがきっかけでした。

自分の振る刀の軌道や振りの鋭さを確認する絶好の機会だと思った私は、企画者に対し、関西でもよければ協力しますよと連絡を差し上げた次第です。

11:45頃撮影補助のW氏と企画者のS氏のお二人がおみえになり、お茶を飲みながら打ち合わせ。


その後様々な対象物を斬りましたが、ハイスピードカメラの映像はとても興味深く、両断される対象物の映像は芸術のようでした。


第一弾
巻藁を束ねているゴムを撮影。ゴムって面白いことに、刃の入る位置によっては斬れないのです。その瞬間をカメラに収めたわけですが、巻藁は綺麗に裁断されているのに、ゴムは刃先に押され、そのまま下にズレ、刀が抜けた後、元の位置に戻る様子が、時価900万円という高性能カメラがバッチリおさえています。見ていて面白い!

第二弾
キャベツ丸々一個を袈裟斬。キャベツって幾枚もの葉が圧縮されるように重なっているため、裁断した直後にその圧縮が開放され、ブワっと広がります。対象物が大きいため、裁断後残りを斬上。

第三弾
林檎 台代わりに使っている巻藁に斬り込むことはプライドが許さず、そのため浅い角度での袈裟斬となりました。角度で言うと35度くらいでしょうか? 簡単なように見えて、これ、以外と難しいのです。以前テレビで放映された異物裁断などでは、平気で台まで裁断していましたが、敢えて台に斬り込まぬ角度に拘り、その甲斐あって見事綺麗に裁断する様子を収めることができました。

第四弾
トマト 綺麗に斬るのが難しいことは、夜な夜なテレビショッピングで紹介される包丁の斬味実演でもご存知の通り。更に裁断する対象物が小さくなりましたが、狙った箇所を確実に横一文字に裁断。トマトは崩れることなく綺麗に上下二つに裁断され、斬り離された上部が再び下部の上に重なるように載り、それが静かに滑り落ちる様はまさに芸術です。トマト裁断面は非常に美しく、中身も散らばることなくそのまま残っていました。

第五弾
玉葱 水平横一文字に裁断。

第六弾
生卵 裁断対象物が更に一気に小さくなります。台の上に卵を立てるため、巻藁の下部を押し上げ、ドリル状にしたその先端に卵をそっと立て置き、それを袈裟に… 生卵なんて初めて斬りましたが、その映像を見てビックリ。卵の殻は斬るというよりは極細かく砕けるような感じで裁断されていくのです。勿論肉眼で見る卵の殻は砕け散ることなく一直線に斬れているように見えます。

第七弾
500mlペットボトルペットボトル
伊藤園の麦茶を使用。メーカーを伊藤園にしたことに意味はありません。身近にあったのがたまたま伊藤園の麦茶だっただけです。
これも袈裟に裁断。ペットボトルは内容物の麦茶が入ったまま綺麗に二分された後、引力に従って下方へお茶は流れました。

最終弾
水風船風船
1リットルほどの水が入った風船を、上方から紐で吊り、それを横一文字に裁断。刀の刃がはいるや風船は口を開いて行くのですが、風船の形状を維持したまま水が二分される様子は感動的でした。風船も綺麗に一直線に二分されていましたが、スーパースローモーション映像で見ると上記巻藁束ねゴムと同じように、最後の方では刀の刃に押されるような感じで、その箇所だけは勢いよく抜ける刀に引きちぎられると言った感じでしょうか。