第1話~第29話
1762年閏5月19日、朝鮮王朝第21代王・英祖(ヨンジョ)の怒りをかった王世子(※1)が米びつに閉じ込められてから6日が経っていた。王世孫(※2)・サンは父に食べ物を届けようと米びつの置かれた時敏(シミン)堂に忍び込むが、父を救うことはできない。結局、王世子は衰弱死。サンは父が残した「誰も恨まず、聖君になれ」という言葉を胸に刻みつける。
しかし、王世子が亡くなると、まだ子供のサンに次々と試練が襲いかかる。英祖は難題を与えてはサンの力量を試そうとする。王世子を死に追いやった政治派閥・老論(ノロン)派――チェ・ソクチュやチョン・フギョム、キム・ギジュらは王世子の息子・サンからの報復を恐れ、サンを亡き者にしようとあの手この手を繰り出してくる。サンも英祖も気づいていなかったが、その黒幕は英祖の正室・貞純(チョンスン)王妃だった……。
政敵に囲まれて成長したサンだったが、文官ホン・グギョンやチェ・ジェゴンといった優秀な人材が周囲に集まるようになり、じょじょに力をつけていく。とくに、時敏堂に忍び込んだ際に出会った、内侍(ネシ)見習いだったテスと女官見習いだったソンヨンと再会し、身分を越えた友情・愛情に支えられ世継ぎの地位を確立していく。
※1)王世子(ワンセジャ)…王から王位継承者に封じられた王子のこと。
※2)王世孫(ワンセソン)…王から王位継承権者に封じられた、王の孫のこと。
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