『地獄』(2009)、『ジェラール・フィリップ 最後の冬』(2022)拝見 | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

 

二作のドキュメンタリー

 

『L'Enfer d'Henri-Georges Clouzot』

セルジュ・ブロンベルグ・ルクサンドラ・メドレア監督作品、フランス

 

 

アンリ=ジョルジュ・クルーゾー様、ロミー・シュナイダー様、セルジュ・レジアニ様、

イヴ・モンタン様、シモーヌ・シニョレ様、ジャン=ポール・ベルモンド様他

 

 

「太陽が知っている」「夕なぎ」のロミー・シュナイダーが出演し、

「情婦マノン」「恐怖の報酬」などで知られる

名匠アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督により製作されるはずだった

幻の映画「地獄」に関するドキュメンタリー。(映画.comより引用)

 

このメイクは、色を反転させる為のものだったそうです。

 

当時のスタッフの方々の証言が充実していて、「こりゃ大変だ」な現場。

リアル「地獄」?

 

 

 

同じ場面を延々と撮り直されてらしたようで、

長距離10回走らされたレジアニ様が、裁判にでもしろと、

現場を去ってしまったって、致し方ない感じ。

 

 

ロミー様ははっきり監督に食って掛かったそううですが、

もうスタッフ、キャスト共に、辟易状態だったみたい。

 

 

本気で首絞めたるで!状態?

 

監督、不眠症で、アイディアを思いつくと02時くらいに、

誰彼問わず電話しまくってらしたというのも・・・で、朝から撮影・・・

 

 

 

 

 

ありきたりな線ですけど『悪魔のような女』等、

ジョルジュ・クルーゾー監督好きなみどりです。

 

 

でも、監督がヌーベルバーグ全盛時代とかに向いていたか?を含め、

複雑な気持ちになります。しかも監督の心臓発作で、結局中断。

 

 

 

20代半ばで、既にお顔が本格的ロミー・シュナイダー様に変化し始めて、

独自の存在感を感じさせてくださっていたロミー様。

 

 

クルーゾー監督作品、完成させて欲しかった。

 

 

 

 

 

 

 

かつて集めたお写真で「あ、この映画のフィルムからなんだ!」がいっぱい。

 

 

『Gerard Philipe, le dernier hiver du Cid』

パトリック・ジュディ監督作品、フランス

 

 

「白痴」「肉体の悪魔」などで1940~50年代フランスを代表する国際的スターとして活躍し、

1959年に肝臓ガンのため36歳の若さでこの世を去った俳優ジェラール・フィリップ。

その生い立ちから人生の軌跡をつまびらかにするドキュメンタリー。(映画.comより引用)

 

 

 

 

1950年代のフランスの美はジェラール・フィリップ、

1940年代の美はジャン・マレー、1960年代の美はアラン・ドロン。

持ち味は、マレーが感性、ジェラールは知性、ドロンは野心の美。

というのはまことに。

 

 

 

 

 

生誕100年を記念して創られたドキュメンタリーだそうです。

 

 

お芝居そのものに限らず、映画・舞台等の為の助力を惜しまなかった、

お若いのに、出来過ぎるほどのお方でらした。

 

 

 

来日された時、女優さん方がメロメロになったのも有名なお話ですね。

 

 

初舞台。舞台そのものは話題にならなかったようですが、

端役ながら話題になったと。うん、目を引く程綺麗。

 

 

 

自らが監督・脚本・主演をすることになってしまった?作品の為に、

カミユの『ペスト』のジャン・ルノアール監督での映画化を断られた程。

舞台では同じくカミユの傑作『カリギュラ』を演じられてらした・・・

と、お写真を拝見したりすると、もうもう、勿体ないお話。

 

 

 

きっとモテモテで当然でしたでしょうけれど、

30歳頃、5歳年上の元ジャーナリストのアンヌ様とご結婚。

 

 

奥様は、ご出演作品の選択が偏らないように、協力して選ばれたとか。

ああ、あんな「こんな美しい人が本当に死ぬのか?」という夫が、

その夫との愛する息子二人と自分を遺し、逝ってしまうなんて。

その後73歳まで生きるのは、お寂しかったのではないかと思ってしまう。

 

来日もご一緒だったんですね。

 

癌と診断されても、夫には告げなかったという奥さまですが、

写真を撮る枚数が、格段に増えたとのこと。

病んでいらしてもお美しいそのお姿、カメラに手が行くのも頷けます。

『星の王子様』等の朗読もされてらっしゃるのですね。

ありきたりな感想ですけど、36歳というご短命が惜しまれてなりません。

 

 

 

 

 

 

『Fanfan la Tulipe』(花咲ける騎士道)から、

ファンファンとの愛称で呼ばれたお方。

 

 

男性でそれが気障でも可笑しくもなくお似合いになるのは、

彼と岡田真澄様だけ???岡田様も享年70歳。

本家ファンファンの約倍近くではあるけれど、早くに逝ってしまわれた。

(岡田様、お母様のお姉様が人魚姫の像の体のモデルをされた方なんですね。