二作のドキュメンタリー
『L'Enfer d'Henri-Georges Clouzot』
セルジュ・ブロンベルグ・ルクサンドラ・メドレア監督作品、フランス
アンリ=ジョルジュ・クルーゾー様、ロミー・シュナイダー様、セルジュ・レジアニ様、
イヴ・モンタン様、シモーヌ・シニョレ様、ジャン=ポール・ベルモンド様他
「太陽が知っている」「夕なぎ」のロミー・シュナイダーが出演し、
「情婦マノン」「恐怖の報酬」などで知られる
名匠アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督により製作されるはずだった
幻の映画「地獄」に関するドキュメンタリー。(映画.comより引用)
このメイクは、色を反転させる為のものだったそうです。
当時のスタッフの方々の証言が充実していて、「こりゃ大変だ」な現場。
リアル「地獄」?
同じ場面を延々と撮り直されてらしたようで、
長距離10回走らされたレジアニ様が、裁判にでもしろと、
現場を去ってしまったって、致し方ない感じ。
ロミー様ははっきり監督に食って掛かったそううですが、
もうスタッフ、キャスト共に、辟易状態だったみたい。
本気で首絞めたるで!状態?
監督、不眠症で、アイディアを思いつくと02時くらいに、
誰彼問わず電話しまくってらしたというのも・・・で、朝から撮影・・・
ありきたりな線ですけど『悪魔のような女』等、
ジョルジュ・クルーゾー監督好きなみどりです。
でも、監督がヌーベルバーグ全盛時代とかに向いていたか?を含め、
複雑な気持ちになります。しかも監督の心臓発作で、結局中断。
20代半ばで、既にお顔が本格的ロミー・シュナイダー様に変化し始めて、
独自の存在感を感じさせてくださっていたロミー様。
クルーゾー監督作品、完成させて欲しかった。
かつて集めたお写真で「あ、この映画のフィルムからなんだ!」がいっぱい。
『Gerard Philipe, le dernier hiver du Cid』
パトリック・ジュディ監督作品、フランス
「白痴」「肉体の悪魔」などで1940~50年代フランスを代表する国際的スターとして活躍し、
1959年に肝臓ガンのため36歳の若さでこの世を去った俳優ジェラール・フィリップ。
その生い立ちから人生の軌跡をつまびらかにするドキュメンタリー。(映画.comより引用)
1950年代のフランスの美はジェラール・フィリップ、
1940年代の美はジャン・マレー、1960年代の美はアラン・ドロン。
持ち味は、マレーが感性、ジェラールは知性、ドロンは野心の美。
というのはまことに。
生誕100年を記念して創られたドキュメンタリーだそうです。
お芝居そのものに限らず、映画・舞台等の為の助力を惜しまなかった、
お若いのに、出来過ぎるほどのお方でらした。
来日された時、女優さん方がメロメロになったのも有名なお話ですね。
初舞台。舞台そのものは話題にならなかったようですが、
端役ながら話題になったと。うん、目を引く程綺麗。
自らが監督・脚本・主演をすることになってしまった?作品の為に、
カミユの『ペスト』のジャン・ルノアール監督での映画化を断られた程。
舞台では同じくカミユの傑作『カリギュラ』を演じられてらした・・・
と、お写真を拝見したりすると、もうもう、勿体ないお話。
きっとモテモテで当然でしたでしょうけれど、
30歳頃、5歳年上の元ジャーナリストのアンヌ様とご結婚。
奥様は、ご出演作品の選択が偏らないように、協力して選ばれたとか。
ああ、あんな「こんな美しい人が本当に死ぬのか?」という夫が、
その夫との愛する息子二人と自分を遺し、逝ってしまうなんて。
その後73歳まで生きるのは、お寂しかったのではないかと思ってしまう。
来日もご一緒だったんですね。
癌と診断されても、夫には告げなかったという奥さまですが、
写真を撮る枚数が、格段に増えたとのこと。
病んでいらしてもお美しいそのお姿、カメラに手が行くのも頷けます。
『星の王子様』等の朗読もされてらっしゃるのですね。
ありきたりな感想ですけど、36歳というご短命が惜しまれてなりません。
『Fanfan la Tulipe』(花咲ける騎士道)から、
ファンファンとの愛称で呼ばれたお方。
男性でそれが気障でも可笑しくもなくお似合いになるのは、
彼と岡田真澄様だけ???岡田様も享年70歳。
本家ファンファンの約倍近くではあるけれど、早くに逝ってしまわれた。
(岡田様、お母様のお姉様が人魚姫の像の体のモデルをされた方なんですね。)