『南極料理人』(2009)南極の沸点って低いんですね! | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

 

本当に、あんなご飯なのかな?

 

沖田修一監督作品、日本、125分

 

 

堺雅人様、生瀬勝久様、きたろう様、高良健吾様、豊原功補様

西田尚美様、古舘寛治様、嶋田久作様他

昭和基地より、ずっとずっと奥地?の衝撃の寒さで、

ペンギンやアザラシやウィルスも住んでない観測所

 

 

海上保安庁で、そこへ派遣されるのを夢見ていた隊員に、

遂に辞令が出て、感激で夢いっぱい・・・もつかの間

交通事故にあって、あえなく赴任不可能に。

二十年越しの夢がああああ。

 

 

 

そこで、船長嶋田久作様から、「そういうことだから、おめでとう」

え・・・家族と相談させて下さい

 

 

「おめでとう」

 

 

いえ、か、家族に・・・

「おめでとう!」

といった展開の元、西村はウィルスも居ない南極の最果てに。

平均気温、-54度。標高3800メートル

 
 
 

空気も薄い中、自分も合わせて八人だけで過ごす一年以上

 
 

1997年という設定だから、今は、多少は生活環境変わってるかな。

電話一分740円なので、そうそうかけられない。

「娯楽」なんてほぼない環境で、重要な楽しみ・・・な

 

 

 

あ、朝ごはん?これ?旅館並じゃん!なご馳走。

 

 

しかし、なんたって親爺軍団。丁寧に作られたぶりの照り焼きに、

醤油をどば~っとかけちゃったり、

椎茸を一枚一枚より分けたり。

 

 

翌朝は、お魚、塩焼きでした。

 

 

夜中にこっそりラーメン作って食べるメンバーいるし。

毎日、意匠を凝らし、喜んでもらえるよう料理してる、

西村にとっては、それは微妙な気持ちにもなろう。

堺雅人様って、そういう、うっすら表情を現すのお上手ですねえ。

 
 

 

しかも、中毒並なラーメン好き。どんどん食べてしまって、

ラーメンがきれる。中毒並なので、大変つらい

を作れないか?とも言われるが、無い材料がある。

「蟹なら沢山ありますから」と、蟹がど~ん。

 

 

 

誕生日会を・・・と企画し、「何か食べたいものありますか」と探り

「別にメシ食うために南極に来てるわけじゃないしさあ」すげない答え。

めげすに聞くと「肉」「肉って」「だから肉だよ」

とにかく沸点が低いので、塊肉があっても、ローストビーフ難しい

 
 

しかし、必要は発明の母、何とかするもんだなあ・・・

 

 

普段、こういうお肉の塊、食べないんだけど、食べたくなっちゃいました。

 

 

伊勢海老が見つかると、全員が「エビフライだ!!!」

伊勢海老です。西村「伊勢海老ですよ、他に色々あるでしょう」、

抵抗を試みるが、「西村君、僕たち気持ちはすっかり伊勢海老だから」

で、これ。

 
 
 
伊勢海老にマカロニサラダだよ。
 
 

食べにくいってだけの結果に。

「やっぱり刺身だな」にほくそ笑む西村。

 

 

出発前日に抜けた娘の乳歯を、騒動の中、

海中(氷中?)深くに落とされた時は、温厚な西村が寝込む

彼の代わりにと、団員全員が作る唐揚げ

油を高温に出来ないので、べちゃべちゃした唐揚げに。

 

 

これが、が作った唐揚げを思い出させる

「僕の身体はね、ラーメンで出来ているんだよ」と言うきたろう様。

 

 

さりげない、隊員からの元素構成のアドバイス。

 

 

ラーメンを作るのに足りなかった素材も、工夫で補い、

完成した時の、全員の歓び

 
 
 

 

 

そんな閉ざされた空間での日々が紡ぐ人間関係

帰国した後、「あの日々はなんだったんだろう」

 

 

 

「当たり前」の生活の中、家族で過ごす幸せ

でも、人生のほんの一瞬の、特殊な生活。

それは、大変でも、とてもとても貴重な日々だったのかもしれない。

 

 

子供と幼児と共に待つの、淡々と冷たいようなファックス・電話の内容。

それも、夫に郷愁を強く感じさせないためのもの。

西田尚美様ならではの、独自のニュアンスが素敵でした。

 
 

離れているからこその、思いやり。

お話は、実在西村淳様のエッセイですが、

さすがに、ロケ地は南極ではなく、網走だったそうです。