前回作製した、革パンから切り刻んだレザーの輪っかをステアリングにあてがう。


STONE SCULPTURE-レザークラフト10


4ナンバーの軽ワンボックス、ダイハツハイゼットカーゴのコックピットは素っ気ない。が、妙な虚飾がない分好感が持てる。そのダイハツ純正のステアリングに輪っかを被せる。ステアリングの外周はおよそ115センチくらい、それに対して輪っかは100センチを切っている。強引に引っぱりながら被せる。なるほど、伸びるもんですな。革も広い面積の時より幅が狭く細いと当然伸び率も変わってくる。この辺りをある程度意識して加工する必要がある。3枚のレザーのつなぎ目は、ひとつは一番上の真ん中、残りふたつは横のスポーク下。もうこの時点で、センターが狂っていた。まぁいいや。とりあえず何とか被せることはできたのだから。上出来。さて、問題はスポーク部分3カ所。見栄を張って一体成形にしてしまったので位置が変えられない。多少のずれは無理くり引っぱるしかないのだろう。たるみがあってはならない、ということは今の状態であてがって巻いた時ぴったりではまずいということだ。伸びの分を計算して、現物合わせでチョキチョキ。スポークの部分がやはり難しい。少し切りすぎたようだ…。なんとか引っぱるか。




で、普通はステアリングをここで車から外す。どのサイト見ても外して作業している。まぁ当然か。しかし、面倒くさい。ましてエアバッグ搭載しているのだから余計な仕事が多い。それにその間は車を動かすことができない。なのでこのまま作業することにした。


体を折り曲げての作業、仕方ないが、まぁ慣れてはいるから…などと考えていたら、はたと気付く。ハンドルって回るんだっけ。何かすごい発見をした気分になった。




STONE SCULPTURE-レザークラフト11


というわけで下穴を開けた後、ちまちまと縫合作業を開始する。なかなか楽しい。レザークラフトって最初の段取りが肝心なのですね。ここまでくれば後はかなり精神的に楽。時間はかかるがどんどん出来上がっていく様子が分かるので励みになる。





STONE SCULPTURE-レザークラフト12


ちまちまちまちま…。ひたすら淡々と、粛々と作業を続ける。外は寒いし同じ体勢のままなので足の感覚がなくなってくる。でも、楽しい。気分はレザークラフト職人。あくまで気分は。



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何度か糸が切れて焦ってしまったが、なんとか縫合を終える。何時間かかったんだろうか。外が明るいうちに終えることができたのが何より。気がつくとすべてのガラスが曇っていた。



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スポークの部分を少し切りすぎてしまったが、何とか我慢できるレベルにおさまった。普通は中に接着剤を少し塗ってずれないようにするようだが、今回は使用しなかった。結果的には結構引っぱったこともあって全く問題ない。最悪ほどいて元の状態に戻すことも可能。



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ブランドにこだわらなければこれで社外のステアリングと機能的には大差ない。

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凝視しなければそれが自作だとはわからないほどに、自分でもこれほどうまくいくとは予想だにしなかった。全く違和感がない。センターずれてるけど。

誰もこれが革パンだとは思うまい。




イタリアのMOMOのステアリングは確かにいいが…


MOMOモモ ステアリングハンドル RACEEVOレース エボブラック35Φ


高いよね、って思っていたが、今回いざ自作してみると、その手間、時間を思えばかなり安いのではなかろうか。


しかしこれでこの車にもより愛着が湧いてきた。長年タンスの肥やしとなっていた革パンの牛さんにもようやく感謝することができる。


レザークラフト、おもしろい。今後の展開が期待できそうだ。



レザークラフトに関する記事をまとめたHPです。

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