ドリームモーニング娘。のライブに参戦してきた。

あの頃の輝きそのままに颯爽と登場するメンバー。
ファンの大歓声。耳の奥に残るキャッチーなメロディ。

かつてテレビで観ていた光景が目の前にある。
その感慨と会場の熱気に当てられ、思わず涙が溢れてしまった。


当時、私はまだ大学生だった。

先の見えてしまう人生が虚無に思え、死ぬことばかり考えていた。
そんなところへ来て彼女らは、
「♪どんなに不景気だって恋はインフレーション」とか
「♪明るい未来に就職希望だわ」とか謳い上げていたのだった。

この底抜けの能天気さは何なんだ。
愛くるしい彼女らを見ていると、何だか死ぬのがアホ臭くなってきた。

生きる希望をもらったとかそんな大袈裟なものではないけど、
「ひとまず今日一日は生きてみよう」
少なくともそう思わせるほどの何かは与えてもらっていたように感じる。

何だか先日の『釣り刑事2』みたいな話になってしまったが、
誰にも多かれ少なかれ、アイドル的存在に希望をもらったり託したりした
体験はあるのではなかろうか。


そんな存在である彼女らが今、ステージで輝いている。
再結成とは思えないほどの完成度。MCも息がピッタリだ。

中でも石川梨華の全力度は遠目でもひしひしと伝わってきた。
そんなに動いて大丈夫なのかというくらい。
出身地だけあって、梨華ちゃんコールもひときわ盛大。
あの笑顔にどれだけの人が救われていることだろう。



実は終演後に軽くご挨拶させてもらったのだが、ドラマロケの時より
二回りくらいオーラが違っていて、まともに顔も見られなかった。

アイシングをした左膝が痛々しそうだったが、
ステージではそんな素振りを微塵も見せなかった。
真面目でひたむき。やはり生粋のアイドルなのだ、この人は。

本当にお疲れ様でした。残りの公演も頑張って下さい。