最近どこからともなく中国系ブローカーから「iPhone5のフロントパネルガヤスクナリマシタ。カテテチョウダイマセ」らしきメールが毎日数通届いております。ここ数週間で$10以上値下がりしており「何故こんなに安いのですか？」という質問をいつもお世話になっている工場の人に聞いてみたところ・・・
ようやく納得のできる回答へたどり着くことができました！
話しによりますとiPhone5用のデジタイザ（液晶＋タッチセンサーのアセンブリ）のオリジナル品（アップルに納品される物）は現在オフィシャルの工場では生産されていないとの事です。
そもそもオフィシャルのパーツが流出する事が少なかったのですが、ここにきて正規のデジタイザは流通されていない事になります。
たぶんリペアに使う分も整備済み品に使う分を合わせても相当な数がストックされている事になるんでしょうね。
オフィシャルが動いてはおりませんがコピーデジタイザ工場は中国では３箇所ほどであるらしくそこで生産したデジタイザーが市場に出回っているフロントパネルになっているようです。
実際に工場を見たことがないので何とも言えないところなのですが、おそらく皆さんが思い浮かべている光景とさほど変わらない・・・と思っております。
まぁそんな工場で作っている物ですから良い物もあれば悪い物もあるのは承知済みですね（笑）
もちろん彼らにとってパーツの良い悪いなんて全く関係無くおざなりの検品と選別で日本では考えられないクオリティのパネルが毎日たくさん生産されている訳なんです。
液晶の中にゴミが入っていても、多少のチラつきがあってもそんな事お構いなしです。
そもそも検品していないんだからグレードをつけることもできないんです（笑）
このようにおざなりに作られ検品されていないパネルが深圳の電子城のパーツ屋の店頭に並びます。
ブローカー達はこのパーツ屋から購入したパーツを思い込みでグレード分けしているんだと考えられます。
多分見た目での判断はできないのでパーツ屋の言うことを鵜呑みにしている可能性が
そのパーツ屋も工場の言われている事を鵜呑みにしているか
そのパネル工場も部品業者の鵜呑みに・・・
どこもだれも信じていなかったらそれはそれで面白いんですけど（汗）
おそらく日本人が思うグレードとパーツ屋の思うグレード分けはこんな感じ
(左が日本人)
良質 → 該当なし（アップル純正品は流通なし）
普通 → オリジナル（アップル純正品だと思っているパネル）
やや普通 → ハイコピー
下 → コピー
ゴミ → OEM、Bグレードなど
ほとんどのパネル工場は何も考えずに適当に作っている以上、正しいグレードに分ける事は不可能なんです。
その根拠のないグレード分けされたパーツを皆さんが買っているわけなんですね
そのパーツをなんの根拠もないままオリジナルとかハイコピーとか言っちゃってる訳なんですよ。
しょうがない事なんです、中国人ですから。
入荷したデジタイザーを「うちのパネルは世界一だ！」と豪語する日本人が液晶パネルのゴミや汚れ、ドット抜け、タッチセンサーを徹底的にチェックします。
このデジタイザーにガラス・フレーム・カメラガイド・イヤーメッシュなどなどを取り付けてフロントパネルの完成！
この出来上がったフロントパネルをさらに検品して世界中の修理屋さんに届けられます。
品質の良いデジタイザーはこのように特別扱いされますが、最初の検品でそうでもなかったものや微妙な物は…
工場での検品や細かいパーツのクオリティも最低限なので安いパネルとして流通されているんです。
検品がずさんなので全く動かない物でも出荷されている可能性もあるとかないとか
日本に届いてから検品した時点では問題はありませんが、普段使い程度の振動だったり液晶やバックライトの通電時間に比例して徐々に動作が怪しくなり最後には反応しなくなります。
並以下の物しか手に入らないのはしょうが無い事なんです。
きちんとグレード分けされていないですし、きちんと管理している工場では良品は修理店用、それ以外はパーツ市場に流れる用になっているんですから・・・（泣）
何故パネルが安いのかをまとめると
・訳ありのデジタイザーを使っている
・ガラスやその他の細かい部品のグレードが低い
・検品しないので人件費が安い
・安いことを理由に保証がつかない
・最初から保証する気なんてない
という事なんです。
色々なパーツ屋さんとお話する機会が多いのですが、皆さん口をそろえて「ウチのサプライヤーは大丈夫です」と言います。
大丈夫だななんて思ってはいけません。相手は中国人です。
日本人がカモだと思われていることを忘れてはいけませんよ。