数多い、左官の仕上方法の中で最も高度な技法としてあげられるのが黒漆喰の磨き。
最近、モルタルに黒の顔料をまぜて黒磨きといってるのもありますがそういうのと次元がちがいます。
土蔵の現場ではいよいよ、黒磨きの段階です。
まずは仕上げ面である中塗りの土からはみ出している藁スサをバーナーで焼いていきます。
メイク前の無駄毛処理のイメージです。
漆喰をつけて、面をとり、この段階でしっかり押さえていきます。
水の引き塩梅がありますので数人で手際よくいきます。
面の部分は白で残しますので面はここで磨きます。
しっかり押さえたのち手ぬぐいで雲母粉をふり手で磨きます。
漆喰が生乾きの状態で黒ノロをつけて、がっちり押さえていきます。
フレスコ画の要領に似てます。
そして手で磨いていきます。次第に景色が映りこむほどに光ってくるのが分かります。
この作業は塗継ぎができない為、何段にも重なる鉢巻きの片面、一本ずつ仕上げていきます。
面白の交差する繊細な部分はさらに腕の見せ所です。
100年近くたっても光っているものもあれば、数年で曇るもの、最初から曇ってるもの、
正しい黒磨きの技法は確立されてないそうです。
先人は光続ける黒の壁を追求し、さまざまな配合を試みたのだと思います。
当時から手にはいるもの。自然の素材、食べ物、それらを配合してるのは
間違いないことです。