メリルリンチも開発型の不動産証券化事業に本格参入したとの記事です。150億円のうち、
エクイティが30億円となっていることより、証券化総額の80%がノンリコースローンで
組まれています。ノンリコースローンが組みにくいと言われている現況下ですが、だいぶ、
大きい割合でノンリコースローンを組みレバレッジをかけていますね。メリルリンチの信用力や
企画力等が評価されているのでしょうんね。
不動産証券化 「開発型」に参入 メリル日本 銀座など6件対象
メリルリンチ日本証券は、更地に新たな建物を建てテナントを集めた上でビルを売却する
「開発型」と呼ばれる不動産の証券化事業に本格参入した。このほど都内の銀座、表参道の
店舗ビルを対象に150億円の証券化を行った。不動産価格の局地的な上昇は続くが、集客力が
高いなど収益性に優れた不動産投資ではなお利益が確保できると判断した。
証券化の対象は銀座や表参道にある6件の商業ビルで、そのうち5件は老朽化した建物を
取り壊し新たなものを造る。工事は一部で始まっており、新たな建物は2007年から09年にかけて
完成する予定。スイスの高級腕時計メーカー「オーデマピゲ」など、ブランド力のあるテナントの
入居が既に決まっている。
対象不動産の信託受益権を保有する特別目的会社(SPC)を設立し、メリルリンチ日本証券の
ノンリコースローン(非そ及型融資)により120億円を調達した。このほかメリルリンチグループの
子会社と、物件情報を提供した不動産投資顧問会社のクオリケーション(東京・渋谷)とが
匿名組合員として30億円を出資する。
運用期間は09年11月まで。運用後に不動産が高値で売却できれば、メリルリンチは融資
による利息と出資による配当を同時に得ることができる。
開発型案件は新たなビルが開業するまでキャッシュフローが得られないリスクがあるが、
建て直しを行うケースでは「テナントの立ち退き交渉などの手間がかかるため、更地より安く
不動産を購入できる」(加藤則泰ストラクチャードファイナンス部長)といった利点もある。
不動産価格が上昇する中で収益が確保できると判断し、今後も積極的に取り組む考えだ。
日経金融新聞 2006年11月16日