親の敷いたレールの先にあるのは?
自分の子どもを「良い子」に育てたいと思いますか?
それとも「悪い子」に育てたいと思いますか?
もしそう尋ねられたら、
「そりゃあ、良い子になってほしいに決まっているでしょ!」
または、
「とびきりの優等生にはなれなくても、
悪い子にだけは絶対になってほしくない」
と答える人がほとんどなのではないでしょうか?
しかし、
私の持論は
「子どもは悪い子に育てましょう!」です。
もちろん、
「子どもを乱暴者に育てましょう」とか、
「子どもを犯罪者に育てましょう」と言いたいわけではありません。
私のいう「悪い子」とは、
簡単にいうと
“親の敷いたレールから逸脱する子ども” です。
「何それ!? うちの子をそんな脱落者になんてしたくない!」
「そもそもレールなんて敷いているつもりはない!」
と思われるかもしれませんが、
親は知らず知らずのうちに、
我が子の人生に自分好みのレールを敷きがちです。
「そんなことしちゃダメッ。転んでケガでもしたら危ないでしょ!」
「××ちゃんはお行儀が悪いから、もう一緒に遊んじゃダメよ」
「そんなくだらないものばかり見ていないで、この本を読みなさい」
「もっと勉強して偏差値を上げないと、バカな学校にしか行けないわよ!」
「夢みたいなことばかり言ってないで、もっと安定した職につきなさい」
――多くの子どもたちは、
「あなたには無理!」とか
「これはダメ」「あれもやめなさい」
「そうじゃなくて、こうしなさい」と、
親の決めたルールにがんじがらめにされています。
そんな親の決めたルールに支配され、
親の望むゴールに向かって
ひょろひょろ伸びているきゅうくつな道
――それが親の敷いたレールです。
「別に無理強いしているわけじゃありません。
ただ、自分の子どもが道を踏み外さず、
幸せな人生を送れるように導いてあげるのは、
愛情ある親の役目でしょ!」
私も教育活動家であると同時に、
ひとりの子どもの親なので、
そんな風に反論したくなる気持ちは理解できます。
けれど、
親が思い描く幸せが、
必ずしも子ども自身の幸せとは限らないのです。
「いい学校に行きなさい。
そうすれば人生幸せになれるから」
と、親の敷いたレールに沿って子どもが
一流大学に合格したとします。
しかし、
その子が自ら「行きたい」と望んだのではなく、
ただ親の進める大学に入った場合、
子どもは入学した後の人生を描けなくなってしまいます。
大学に入るという目的が達成され
そこで燃え尽きてしまう、
いわゆる「燃え尽き症候群」になってしまいます。
しかし人生が始まるのはこれからです。
社会に羽ばたく前の通過点に過ぎない大学入学が、
人生の終着駅になってしまっていませんか?
第1章 あなたの子どもは良い子? 悪い子?
◆「良い子」に育てるのは本当に大切なことですか?
いぬかい良成(著)「子どもは悪い子に育てなさい」天才児が育つ7つの習慣
【第1章・あなたの子どもは良い子?悪い子?】より