原風景に出会う
昨夜、偶然こんなドラマを観ました。
NHK広島放送局開局80年ドラマ
『帽子 』
胎内被曝し、今は末期癌である世津(田中裕子)に
呉で暮らす、幼い頃世津に捨てられた息子(玉山鉄二)と、世津の幼なじみ・帽子職人の春平(緒形拳)が
それぞれの複雑な世津への思いを抱えて東京に会いに行く、という内容。
静かな展開ながら、原爆がもたらした悲劇と、家族の在り方、年老いても誇りを持って生きる、
などなど、さりげなくいくつもテーマが盛り込まれた、とても切ないストーリーでした。
主人公の営む帽子店の雰囲気がとても良かったです。
これもドラマに引き込まれた要素の1つ。
外観も内部もセットのようですが、とても味のある店舗です。
たまたま付けてたNHKで、たまたま始まったドラマなのに
結局最後まで観てしまいました。
そうなった理由は、二つの偶然が重なったから。
まず出演していた緒形拳さんと田中裕子さんが大好きだから。
そして物語の舞台が広島の呉市だったから。
軍港の町・呉は、私の父の出身地です。

にも関わらず、私は呉はおろか、広島にも行った事がないのです。
今年のうちに、広島に行こうとは決めていましたが
呉まで行こうか迷ってたのが、これを観てその迷いは消えました。
大げさですが、人生の半分は生きてきたと思う中で
自分の原点の風景を一度は見ておくべきだと改めて思ったのでした。