http://www.busitre.com/english/2007/07/toeic.html
6. オーセンティシティー
-TOEICと上手に付き合うための基礎知識2-
TOEICと上手に付き合うための基礎知識の2回目ですが、今回はテストのオーセンティシティー(authenticity)という概念について見て行きたいと思います。
オーセンティシティー(authenticity)というのは耳慣れない言葉ですが、ファッション雑誌などでこの言葉の形容詞であるオーセンティック(authentic)という単語を聞いたことある方は結構多いと思います。ファッション業界で使われるオーセンティック(authentic)は「本物の、本物志向の」という意味です。
それに対して、英語テストにおけるオーセンティシティー(authenticity)とは、そのテストが「受験者が英語を実際に使う状況をどれだけ正確に再現しているか」を指しています。言い換えれば、テストのオーセンティシティー(authenticity)とは、そのテストがどれだけ本物っぽいかということです。
例えば、英語で電話の受け答えができる秘書を見つけたいとき、面接でネイティブスピーカと実際にしゃべらせて見るというのはオーセンティシティー(authenticity)の高いテストといえます。なぜなら、この場合は、テストの中に実際に会話をするという技能が含まれているからです。
それに対して、CDなどを使って英語のリスニング問題をする場合、これは必ずしもオーセンティシティー(authenticity)の高いテストとはいえません。なぜなら、この場合測定されるのはリスニング能力だけであり、スピーキング能力は測定されないからです。
このようなオーセンティシティー(authenticity)という観点から考えてみると、TOEICというのがコミュニケーション能力をはかるためには必ずしも優れたテストではないことがわかります。リスニングに関して言えば、例えばpart 1の写真描写問題などは実際の生活では100パーセントありえない状況ですし、またリーディングのpart5とpart6の穴埋め問題も現実にこのような作業を行うことはほぼありえないでしょう。
このような批判を受けてか、旧TOEICでは20問だったpart 1の問題数が、2006年より行われている新TOEICでは10問と半減しました。しかし、TOEICを作成しているETSが作っている留学用の試験TOEFLと比べた場合、TOEICのオーセンティシティー(authenticity)はまだまだ低いです。
例えば、TOEFLでは、穴埋め・訂正問題はなくなりかわりにライティングの比率が増えました。また、リスニングに関しても、TOEICではただ単に問題を聞いてそれに適した解答を選べばいいのに対して、TOEFLではリスニングをした後にその内容をもとにしたライティングやスピーキングを行う必要があります。これなどは、授業を聞いた後にディスカッションを行ったりレポートを書いたりするという留学で必要とされるスキルを再現しているという点において、非常にオーセンティシティー(authenticity)の高いテストということができます。
さて、ここまで読んできた方は、「じゃあ、TOEICではいったいどんな能力を測定しているんだ?」と思った方もいると思います。これに関しては、長くなったので、次のエントリーで述べるようにしたいと思います。
今週のまとめ
オーセンティシティー(authenticity)という観念から見ると、TOEICは、コミュニケーション能力を測るテストとして必ずしも優れているわけではない。
◆やったこと
エニー・ギブン・サンデー返す
論語音声作成
島袋さん&エリックメール
上智書類書く→1月8・9