映画の英語・トッツィー続き | フランス語発音上達ブログ!

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TOEIC980。早稲田英文→早稲田仏文修士→上智外国語学部修士→上智博士課程在学中の井上がフランス語の発音を上達させるための方法について話します。

遅くなりました。トッツィーの続きです。



Tell me about Ron. ロンについて教えて。

How much time you've got? 時間かかるわよ。

Go on. いいから。




上の会話に出てくるhow much time you've gotですが、まあ表現としては特に難しいものではありません。ただ、このシチュエーションで使えるかどうかってのは聞かれると、実際問題かなり難しいと思います。こういうのは文化的な問題が絡んでくるんで難しいですよね。



we got some things in common. 0:50 気が合うの。




日本語ではよく”気”って単語を使いますけど、これもまた英訳しにくいですよね。



make one's move. くどく




I went by your place. 0:53 家まで行ったの。




これもやっぱり近くを表すnearです。ジーニアスを見ると,nearよりbyの法が接近した感じがするとは書いてあるんですけど、具体的にどれくらいだったらbyを使ってどれくらいだったらnearを使うのかがいまいちよくわかりません。



Let's just go. 0:59 いいからいくぞ。




なんかこのjustの入れ方がかっこいいですよね。



Don't take yourself so seriously. 0:59 あんまり落ち込むなよ。




What's your name again? 1:00 名前なんだっけ?




これも最後のagainがなかなか言えないですよね。まあ、紹介された後にすぐ聞くのもわりかた失礼なんで、そもそも言わないほうがいいんじゃないかって気もしますが。そうは言ってもどうしても聞かなきゃいけないときはあると思ういます。そういう時はmind like a sieveとか付け加えると、笑いが取れて少しはましになるかなと思います。



Don't get me wrong. 1:11 誤解しないでくれ。




よく使われる台詞なので、聞いたことがある方も多いと思います。聞いたことがない方は、この機会に覚えちゃってください。



I'm gonna go in right now and tell them. 1:18 今からそこに乗り込んで、あいつらにガツンと言ってやる。

You think anybody gonna believe I wasn't in on this. 俺がこのことにかかわってないなんてみんなが信じるとでも思うのか?




よく言語学の教科書なんかに英語の動詞には方向性がなくて前置詞を伴って初めて方向性が出てくるなんて話が出てきますが(eg climb up the tree⇔climb down the tree)、この二つの文章もそれをよく例示してるんじゃないかなと思います。日本語の場合は動詞自体に方向性があるんで、ここで出てくるgo inやwasn't inみたいに副詞化した前置詞が動詞と組み合わさってできるようなイディオムは日本人には使いこなしがたいですね。



You gotta find a way to make it work. なんとかしろ。1:18






I don't want you to take this the wrong way. 1:25 誤解しないでくれ。




さっき見たDon't take me wrongと同じtakeの用法です。



Oh really, I don't dance. 1:27 踊れないの。




日本人はこういう風にできるできないを表す表現のとき、なんでもかんでもcanを使う傾向がありますが、ネイティブスピーカーが話すのよく見てると実際は結構doで表現してることが多いです。例えば、「あなたは英語を話せますか」ってのも日本だとCan you speak English?って習いますが、ネイティブを見てるとDo you speak English?って言うほうが多い気がします。また、それ以外にも例えば「ペンギンは飛べない」っていう文章なんかでも、"Penguins don't fly"みたいにcanを使わないで言う例が結構あります(下記のURL参照)。

http://projects.edtech.sandi.net/encanto/penguins/facts.html



では、なんでこんなことがおきるのでしょう。正直言って僕もよくわかりません。ただ昔習ったnativeの先生が書いた本の中に、Can you speak English?だと「脳に異常があって英語が話せないんじゃないか」みたいな感じがするって書いてあったことから察するに、おそらく英語のネイティブスピーカーは日本語で能力と考えられているものをたんなる習慣とみなしているのではないでしょうか。つまり、例えば上の二つの例で言えば、日本語話者が「英語を話せる」とか「空を飛べる」といった能力として捉えている現象を、英語話者は「英語を話す」とか「ペンギンは空を飛ばない」といったような習慣だと捉えているので能力を表すcanは使わないということです。機会があれば、もう少しこの問題について掘り下げて行きたいと思います。



I'm not too good with words anyway. 1:28 話べたなんだ。




be good atってのはよく聞くけど、be good withってあんまり聞きませんよね。どう違うんだろうと思ってジーニアスを調べてみたら、「atは技術、in,onは領域、分野、withは扱いを示す」って書いてましたけど、なんかわかるようなわかんないような感じです。こういうのってはっきりした違いがあるんですかね?それともたんに感覚的なものなのでしょうか?



I'm just an untalented, old has-been. 1:31 今じゃもう何の才能もない、ただ過去の栄光にすがってるだけの存在さ。

Were you ever famous? 栄光の時代があったの?

No. いや。

then How can you be a has-been? じゃあ、どうやって過去の栄光にすがれるの?

I love the way you never let me get away with anything. 君のそういう厳しいところが好きなんだ。




最初のhas-beenですが、これは名詞で「時代遅れの人」という意味になります。as-a-matter-of-factlyなんかもそうですけど、英語、というかアメリカ人はこうやってハイフンでつないで新しい語を作り出すのが好きですよね。次のlet A get away with Bですが、こういうletを含む表現ってのは日本語の感覚にはないんで、なかなか使いにくいような気がします。You can't let him get away with that(あいつになめられたままでいいのか?)なんて言い回しもよく使うんで、覚えておくと便利かと思います。そういや、エミネムの歌詞にもありましたね。





You hurt my feelings. 1:37 あなたは私を傷つけたわ。




feelingみたいな形のないものを数えるってのも、日本人にはわかりにくいですよね。誰かにほれてるって時によく"have a feeling for sb"って表現を使いますけど、これなんかもなんで単数形なんだかよくわかりません。コロケーションを調べてみると、状況に応じて単数と複数に変化するものと常に単数か複数で使うものがあるんですけど、その差はどこにあるんでしょうか。



Look, you don't know me from Adam. 1:52 どこの馬の骨だと思ってるだろうけど。




not know A from Adamで、Aさんのことをまったく知らないという意味になります。tellには…を見分けるという意味があって、例えば"It's easy to tell the expensive wine from the cheap one.(高いワインと安いワインを見分けるのは簡単だ)"見たいな感じで使われます(例文はEゲイト英和辞典)。



cf. 今これ書いてて思ったんですけど、こういうときってoneって使えるんですかね?ロイヤル英文法(初版)のp188に、不可算名詞の場合は修飾語がついてもoneを用いることができないって書いてあって、その例として下の文章が載ってるんですよね。よくわかりません。



(誤)He likes white wine better than red one.

(正)He likes white wine better than red (wine).