ビジトレ | フランス語発音上達ブログ!

フランス語発音上達ブログ!

TOEIC980。早稲田英文→早稲田仏文修士→上智外国語学部修士→上智博士課程在学中の井上がフランス語の発音を上達させるための方法について話します。

ビジトレに記事を書きました。リンクはこちら。http://www.busitre.com/english/2007/12/toefltoeic.html



23. TOEFLから見るTOEICの点数の正当性

今回と次回は、久しぶりにTOEICのことを取り上げたいと思います。

さて、僕は今TOEFLを教える留学予備校で授業を教えているのですが、この前TOEICの点数について考える上で興味深いケースに当たったので、少しここで取り上げたいと思います。



TOEFLを知らない人のために簡単にTOEFLの説明をしておくと、TOEFLとはTOEIC主催団体であるETSが作っている、留学用のテストのことです。TOEFLには、現在二つのタイプのテストがあります。

一つは、文法セクションがあり、スピーキングとライティングセクションのないTOEFL PBTで、もう一つは、文法セクションがなくて、スピーキングとライティングセクションのあるTOEFL IBTとなっています。  この二つのテストは、一つは文法重視で、もう一つはアウトプット能力重視と、性格にかなり違いがあるのですが、同じ団体が作っていることもあり、TOEFL PBTの500点は、TOEFL IBTの61点とするという換算表があります。



で、教えていて面白いのは、両方のテストを生徒が受けた場合、この換算表のとおりに点数の出てこないケースがかなりあることです。特に、冒頭の生徒の場合は、TOEFL IBTから想定されるTOEFL PBTのスコアと、TOEFL PBTの実際のスコアに100点ほどの差がありました。同じテストの別バージョンで、換算表があるにもかかわらず、ここまで点数に差があるのは面白いと思いませんか?



もちろん、ここまで点数に極端な開きがある人はかなり少ないです。しかしIBTとPBTの間で点数に開きがある人の数はかなり多く、特に日本人の場合は文 法セクションのあるPBTの方が圧倒的に点数が出やすく、留学希望者の間ではPBTがある時は絶対受けろというのが鉄則になっています。



逆に、帰国子女の場合 はIBTの方が点数が出やすいです。そのため、PBTとIBTの点数を比べてみると、点数に逆転が起こっていることが結構見られます。



バックナンバーでも書きましたが、テストの点数というのはあくまでそのテストの枠内での尺度に過ぎず、測定の仕方を変えると別の結果がでてしまうことが多々あります。

今回取り上げたTOEFLの件は、そのことを理解するのに、非常に適しているのではないでしょうか。TOEICの点数を絶対視するのではなく、あくまで指標の 一部として冷静に付き合っていきましょう。