富士の樹海で慰霊祭を行いました | 中下大樹のブログ

富士の樹海で慰霊祭を行いました

山梨県の自殺率が、秋田県と同様に、日本で最も高いという事実をご存じでしょうか?


山梨県の住民の方が山梨で自殺することも問題ですが、自殺の名所となってしまった「樹海」が山梨県にあることも、山梨県の自殺率が高いことと関係があります。


東京に地方から人々が集まるように、死にたい人々が「樹海」に集まっていると言う現実もあります。


しかし、山梨県の人は言います。「山梨で自殺率が高いことを県外の人に言うな。俺たちは関係ない」と」。


本当にそれでいいのでしょうか?確かに、山梨県以外の人が樹海にやってきて、自らいのちを絶つことは事実です。


ですが、「樹海」という臭いものには蓋をして、覆い隠すことで、自殺は減るのでしょうか?


山梨県の県庁の職員も、私にこう言いました。「山梨県は被害者だ。自殺率が全国ワーストと言われ、迷惑だ」と。


山梨県の住民自体の自殺率は、決して低いわけではありません。全国平均よりも上です。


だからこそ、山梨県から自殺対策を推進し、自殺者の数が減り、成功事例を全国に示すことができれば画期的なことになると思います。


2010年3月に「自殺と貧困から見えてくる日本」というタイトルで集会をしました。


その時に、山梨の方がお越しになっていて、山梨の自殺の現状をお聞きしました。


それから山梨に足しげく通い、山梨県内の精神科医や弁護士、労働組合、山梨いのちの電話、生活困窮者の支援をするNPOなど、様々な団体に足を運び、自殺対策に取り組む横断的なネットワークを山梨でも作る必要性を説き、参加を呼びかけました。


自殺には、うつ、過労や多重債務、親の介護、いじめ、離婚などの家庭問題など、様々な要因が複合的に重なり合って起こることが専門家の調査によって分かっています。


ですから、医者や弁護士などの専門家をつなぐネットワークが必要不可欠なのです。


そして、山梨県内の方々のご尽力もあって、2010年10月に山梨で「自殺問題について考える集い」を開催し、二日間で450名の方が駆けつけました。


その後、一年の準備期間を経て、自殺予防ネットワーク山梨が誕生しました。


代表は山梨県内の弁護士で、お寺の僧侶など、様々な職種の立場の方が加わって下さっています。


その「自殺予防ネットワーク山梨」の方々も多数参加して下さったのが、金曜日の樹海の慰霊祭でした。


自殺の良い悪いは別として、樹海では毎年100人以上の遺体が発見されています。


それらのご遺体の多くは、無縁仏として弔われる事もなく、火葬され、処理されるのです。


せめて手を合わせ、花を手向け、祈りを捧げることで、亡くなった方のお役に立ちたいと願い、山梨県の仏教者、キリスト教、神道(神社)の方にも声をかけ、宗教を超えて慰霊祭を行いました。



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その活動の様子は、NHKをはじめ、各種新聞にも大きく取り上げられました。


今後も定期的に続けていきます。