「派遣教員」の問題って知ってますか?
NHKや新聞などでも報道されたので、ご存知の方も多いかもしれません。
私立学校の教員が派遣業者などから送られてくる制度です。
現在では、私立高の教員の37%が非正規だそうです(http://www.asahi.com/job/news/TKY201210120696.html )。
塾などでは常態化しているのですが、個人的経験から言えばとんでもない制度です。
現在、教育面での問題として指摘されているのは次の点です。
「教員が短期で変わるので、私立学校の特色である校風が身につかない」。
が、正直、ご父兄にとっては、さほど重要な問題ではないのではないでしょうか。
例えば、次の二つの選択肢を出されたとします。
・A:「校風を維持するために、専任教員を雇用する人件費がかかるので、授業を値上げします。」
・B:「校風が維持できなくなる側面はありますが、人件費を抑制し、授業料を維持(あるいは値下げ)するために、派遣教員を雇用します。」
どちらか選択してくださいと言われれば、Bを選ぶご父兄がほとんどではないでしょうか?
校風が維持できないというデメリットはあっても、教育費が家計を大きく圧迫している時代ですから。
が、この問題は到底、それで済む問題ではないのです。
「派遣教員」が拡大すれば、予想されるのは次の事態です。
教員に対するノルマの賦課
テストごとに偏差値をどれだけ上げろという「到達目標」が課せられるわけです。
私立学校が合格実績を出すのに血道をあげている時代、こうなるのはほぼ必然的でしょう。
当然、「ツケ」は生徒さんに回ってきます。
今以上に、勉強に乗り遅れてしまった生徒さんは辛い思いをし、他の生徒さんは何かに追われるようにして学校生活を送らなければなりません。
「×の恐怖」が、さらに生徒さん達を捉えるようになるでしょう。
そもそも、こういうシステムの中では生徒を褒めることはできないのです(下手に生徒を評価すると、成績が上がらない原因は全面的に教師の側にあることになる)。
安心できる環境で子どもさんに学んでほしいと思っているあなた。
本当にそうなら、この問題に強く関心を持たれることをお勧めします。