こんにちは、青山結婚予備校インフィニスクールの佐竹悦子です。
作家の山崎豊子さんが亡くなりました。
山崎さんは私に、「読書の楽しみ」を本当の意味で教えてくれた作家です。
出会いは、テレビで再放送されていた「大地の子」のドラマでした。
20年以上前だと思います。
見たのは確か、主人公が収容所で仲間から日本語を初めて教わるシーンでした。
以降の放送はすべて録画し、見逃した回はレンタルして見ました。
一通り見終わって、「原作も読みたい」と強く思ったのです。
それまで、山崎さんの作品はちょっと難しそうで読んだことがありませんでした。
「大地の子」のボリュームにはちょっと圧倒されましたが夢中で読み、「これはフィクションでも、実際にこういうことはあったのだ」という現実に押しつぶされそうな気持ちでした。
次に「不毛地帯」を読み、映画も見ました。
その次に手に取ったのは「二つの祖国」です。
これを読んで初めて、「東京裁判」というものに興味を持ちました。
私の年代もご他聞に漏れず、中学・高校で近代史は時間切れで習っていません。
東京裁判がどういうものだったのか、知っていたのはほんのさわりだけです。
史実を知りたいと思い、次はこの裁判について書かれた、滅多に読まないノンフィクションを数冊読みました。
そして最後は城山三郎さんの「落日燃ゆ」です。
東京裁判で死刑判決を受けたただ一人の文官、広田弘毅を主人公にした小説です。
「大地の子」から「落日燃ゆ」まで私を駆り立てたのは、平和な時代に生まれた私は、戦争に負けるということがどういうものか何も知らないという恥ずべき気持ちだったかもしれません。
この一連の読書から、私の本選びは視野が広がりました。
人生にはこんな出会いがきっと何回かあるのです。
それは本や絵、旅した場所、そして人かもしれない。
あなたを豊かにしてくれるものに違いありません。