これ、何に見えますか?
チョコレートケーキ?
いえいえ、これは実はミレットの一種「ラギ」という穀物の粉でつくったケーキです。
一見チョコレートのように見えるこの茶色と、味もこくがあってどこかチョコレート様の香と味がします。
ラギは学名Eleusine coracanaL.
アフリカとアジアで主に栽培され、食されている穀物ですが、消化がよく栄養素も抜群で主食として
インドでも南を中心に食べられています。
インド国内ので呼び名も
Ragi (Kannada, Telugu),
Taidalu (Telangana),
Kelvaragu,Aariyam (Tamil),
Panjapule ([Malayalam])
Maduva (in some parts of north India),
Nachani (Marathi)
とたくさんあります。
私もプネーではナチニと聞いたことがあります。
栄養素は
Nutritive value of Ragi per 100 g
Protein 7.3 g
Fat 1.3 g
Carbohydrate 72 g
Minerals 2.7 g
Calcium 3.44 g
Fibre 3.6 g
Energy 328 KCal
消化がよくエネルギーになりやすいので、体が弱ってるときなどにポーリッジとしてお湯でといて、
香を付けたギーと塩を混ぜて食べたりもします。
南インドでは固めに茹でたものをボール上にして、サンバルと一緒に食べたりもするそうです。
また、バクリと呼ばれるチャンパティ様にした無発酵パンにもすると、
先日うかがったナーセリーの方はいってました。
プネーではバクリといえば、ジョワールというホワイトソルガムのアタを使うのが普通ですが、地域によって
違うのですね。
ためしに作ってみましたが、やはりチョコレート様のこくがあって、甘みがありおいしかったです。
そんなラギーを使って、今日は子供のおやつを作りました。
うちの長男がミルクアレルギーがあって、ミルク大国インドでのスウィートはちょっと苦労します。
次男はミルク製品が大好きで、たまにかわいそうな思いもさせてしまいまいます。
インドのチョコレートはミルクで伸ばしてることが多いので、市販の菓子でもミルクカルシウム配合!なんていう
売り文句のものも怪しいです。
そんなわけで我が家ではほぼ毎日、なんかしらのおやつを作るのですが、やはり食べられなくてもチョコレート
には長男も憧れがあるようなので、このラギは必需品です。
世界では結構キャロブを使うことがありますが、ここインドではこのラギの方が入手が簡単だし、
私は味的にもこっちの方がおいしいような気がします。
今日のレシピは超適当ですが、
ラギをココナツミルクと卵でといて、ギーと砂糖をたっぷり入れます。
アクセントにカシューナッツを今日は入れました。
普段は砂糖の代わりにデイツ(ナツメヤシ)のペーストを使っています。
甘みの抜群で自然ですし、何せ栄養が違います。
レーズンや他のドライフルーツも相性がいいですよ。
配合を変えてビスケットやラッドゥも作れます。
結構自然食品やさんにはこのラギを使ったスウィートがたくさん並んでいますね。
そうそう、もうひとつ思い出しましたが、ラギは赤ちゃんのミルクの代用にも使われます。
粉ミルクなどなかった時代からの知恵だと思いますが、牛乳にラギ粉をカルダモンの粉と砂糖を少量入れて
ボイルして飲ませます。
我が家は牛乳は使わず、米のミルクを作って混ぜていました。といっても100%母乳で2人とも育ったので、
離乳の後のおやつのようなものでしたが。。。
赤ちゃんにも使われることでもわかるとおり、消化がよく、栄養バランスがいいのでしょうね。
ラギはバナナとも相性がいいので、朝はバナナをつぶして、その水分でラギをこねて、
好みで卵やココナツミルクなどを足してホットケーキのようにしてもバランスのいい食事になります。
うちの子供はこれにイチゴジャムを塗って食べるのが大好きです。
配合を研究してブラウニーに挑戦しようと思ってます。
前にナチュラルスウィートを作ってる方から教えていただいたのですが、醤油や味噌をほんの少し足すと
こくがまして代用品とは思えないほどになるそうですよ。
手に入るチャンスがあったら、ぜひお試しくださいね。