皇帝の血脈 | 個人的読書

皇帝の血脈

アラン フォルサム, Allan Folsom, 戸田 裕之
皇帝の血脈〈上〉
アラン フォルサム, Allan Folsom, 戸田 裕之
皇帝の血脈〈下〉

「皇帝の血脈」
アラン・フォルサム・著
新潮社・出版/新潮文庫


『スケールの大きな国際陰謀物』


 アラン・フォルサムは新潮文庫で、ずーっと出ていることは、
知っていましたが、中々機会がなかったのですが、
このたび、漸く、三作目の本書を手にとってみました。


 ジョン・バロンは、憧れだったLAPDの5-2班の、メンバーに選ばれたばかりの刑事。
 重要事件の容疑者逮捕に挑むのですが、ここで、5-2班の隠れた、一面を知ってしまいます。
 そしてバロンは、この逮捕劇に巻き込まれた美貌の殺し屋レイモンドと知り合うことになり
この後、否応なく国際陰謀に巻き込まれていくバロンですが、、、、。


 三部に分かれていて、上記のプロットは、第一部に当るぐらいです。
この第一部のロス・アンジェルス編が、追いつ追われつの緊張感あふれるめちゃ面白で、
これは、久々の大ヒット作か、、、!。と思いましたが、
欧州を舞台にした、第二部、第三部で、ちょっともたついた感があります。 
 まぁ一つには、謎解きが題名から直ぐ想像できてわかるようにちょっと弱いことと
中盤は、それを無理に隠している感と宮廷内での陰謀物みたいになって、
サスペンスの要素が、ちょっと弱くなったからでは、ないかと思います。
(本音は、第一部が面白すぎたからでは?)
後、少し、話が、できすぎているところ(レイモンドとバロンの妹さんの関係)
ですね、、映画的でよいのかもしれませんが、

ちょっと、話が出来すぎで興醒めでした。


 併し、こういう大きな冒険小説が成立しにくくなった、といわれる、
昨今で、敢然と国際陰謀物の冒険小説に挑んでいるということで、
普段星をつけて、評価していませんが、星は、一個余分にあげたいぐらいです。
 
 ただ、世界史ネタの国際陰謀物としては、面白いかもしれませんが、
世界史好きいわせると、ちょっと無理スジでは、、??
 なんか、ちょっとしらけてしまいました。
酷評しましたが、これが、一応一線級のエンターだからです。