青く晴れた空、太陽の暖かい日差しが差し込む。

そして鳥たちが楽しく鳴いている声が聞こえる朝。


ここは林の里。

周りには自然が多く空気のよいところである。

多くの人民が平和に過ごしている。


里のはずれにある小さな家から、

「ハー!!」

と一人の少年が叫ぶ声が聞こえる。

少年の名は青柳ヤグラ、14歳で毎日朝早く起きては修行をしている。


周りの木々にへこみができている。

少年は息を切らせていた。

そこに、

「よし、今日はこの辺にしよう。」

と、少年を見守っていた青年が言う。

青年の名は青柳ホタル、ヤグラの義理の兄で19歳。

毎日ヤグラの修行の指導をしている。

小さいころから一緒に住んでいるのでヤグラにとっては兄的存在となっている。


一息つき、広間には机がありその上には朝食が三人分並べられている。

ご飯に味噌汁に魚である。

そのほかに仏壇があったり障子があったり掛け幕があったり。


「今日もちゃんと食べて頑張りなさいよ。」

お茶を運びながらきれいな女性が言う。

彼女の名は青柳スズ、同じくヤグラの義理の姉であり、ホタルの実の姉である、年は20歳。

毎日料理を作っていて弟たちをそっと見守る優しい女性だ。

「いただきます!!」

ヤグラが大声で手を合わせ、食べ物を口に運ぶ。

スズの手料理はおいしいらしく、ふたりとも嬉しそうに食べる。


「そういえばもうすぐ卒業試験だよな、頑張れよ。」

ホタルが食べながらヤグラに言う。


そもそもこの里はとある組織によって平和が維持されており、

そこに入るためには、学校で知識と技術を身につけなければならない。

その学校に現在ヤグラは通っているわけである。

そのほかにも男女問わず多くの人が通っている。

毎年この時期に卒業試験があり、合格すれば卒業し組織に入ることができる。

しかし、不合格になれば留年しまた次の年に試験を受けることになる。


「わかってるって。」

ヤグラはやる気満々のようだ。

そして朝食をあろうことなくたいらげた。


「それじゃ、行ってきま~す。」

「行ってらっしゃい、気をつけろよ。」

ヤグラが出ていくのを見送るホタルだった。