- あした咲く蕾/朱川 湊人
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7編からなる短編集です。いつもながら、朱川さんって知らなかった。私は知らない人ばかりです。何か、短編集なのに、心惹かれるっていうか、うまいなあプロだなあって思いました。
不思議系の優しい話ばかりで、心がほんわりするというか、温かい気持ちになるようなお話ばかりでした。人が亡くなったと言う話も、悲しくなくて、ほんわかしたような気持ちになれるのです。
表題作の「あした咲く蕾」は、命を少しだけ分けてあげられる女性の話です。人の命をコップに入った水に例えるなら、命の量も人それぞれ決まっていて、死にそうな人や植物にその自分の命の入ったコップから注ぎいれる。死にそうな人は助かるけれど、注いだ分だけは、生きる時間が短くなってしまう。そんな不思議な人の話。
こういうのをもしかして、人によっては、甘系というのかもしれませんが、私はこんな甘系なら大好きです。
この方の本をもっと読んでみたくなりました。