打診買いしてそのままほおってある「そーせい」が今日材料 出してました。


英国アラキス社というバイオ医薬品開発企業の買収です。

このアラキス社はノヴァルティス社とのパイプもあり、戦略的な意味合いの

強い買収であるといえます。


なお、こちらの取締役はそーせいの会長でもあるデビット・チズウェル氏で

あるようです。


今回の買収においては、アラキス株主に対して、そーせいが第三者割当増資を

行う部分と株式の買取を行う部分とに分けて行われます。

第三者割当増資はそーせい株式522,600円にて35,630株を割り当てるそうです。

割当金額は最近の時価を採用したようですね。将来収益までは折り込めなかったようですので、

割安に割り当てたと見ることも可能でしょうが、時価に近い価格ですからフェアな価格と

言えると思います。


問題はこの第三者割当増資を使って取得するアラキス株式の価値です。

同社はすでにヨーロッパ各社との共同研究などによって成果をあげている開発品が複数あり、

その研究開発体制をそのまま手に入れることが出来る点においても十分価値のある

買収であるといえます。

アメリカにおける開発体制はまだ固まっていないものの、ヨーロッパにおいては

アラキス社買収によって、バイオ医薬品開発企業の世界的なプレーヤーへの

橋頭堡になるように思えます。

日本国内のバイオ医薬品開発企業の中では、世界的プレーヤーとなりうる

一番手といえるのではないでしょうか。

このニュースを好感してのことなのか、今日の株価も盛り返してましたからね。

残念ながらアラキス社の詳細な財務データ入手できていないので、

総買収金額約200億円が割安なのかどうかは難しい判断になります。

このような会社を割安かどうか判断するうえで一番大切なポイントは

開発品の将来収益獲得能力です。

開発力に関しては、今までの実績をみて問題なしと踏んでいるのでしょうし、

ノヴァルティスのような主要プレーヤーと組んでいることから見ても

将来収益獲得能力も有望だと判断しているのだと思います。


ただし、ネガティブな点としては第三者割当増資を行うということは、新株を発行するという

ことですから、EPSは落ちてしまうことがあげられます。

アラキス社もまだ「赤」のようですので、買収後の連結損益は悪化する模様ですし・・・

当期の損益としては赤は間違いなさそうです。


当面のEPSの悪化を重く見て「売り」にまわるか、将来の世界的企業の夢にかけるか。

難しい判断になってきましたね。。。