イナカにどうしても戻りたくない人
実家がある故郷に帰ったって、車がなくては生活できないし、働き口だって都会に比べていくらも劣ってしまう。収入が少なくなって、また車の維持費を払ってなんて、車が好きではない人間からすれば「?」がいくらも脳裏を駆け巡る。なら都会にいた方がいい。
もっと故郷に帰ってしまって嫌なのは、ずっと地元にいる連中が「?都会の大学行っといて、親のすね齧ってから~」などといいまくるだろうこと。明らかに劣る連中が、縁故で公務員になって、そして私を見下すのだろう、と考えるととてもとても気分のいいものではない。連中は親も公務員で、どうせ公務員になるのだからと、中学高校と努力を拒み、私たちが必死になっているのを見てあざ笑っていた。
田舎はもうとっくに階層が固定されていて、ワタシのような一度よそに行ってしまった人間には、居場所なんてどこにもない。あるにはあるけれど、暖かく迎え入れてはくれないし、居心地のいいものではない。
都会の最底辺にいる、という自覚はあるが、あの田舎にいるよりはマシ。母親に派遣でやってる年収を正直に言えば、「そんな安い給料で、都会ではやっていけんでしょ~」など哀れみたっぷりの口調。でも正直田舎よりも収入は多いし、家賃などを差っ引いても自由になる金は多い。
でもこのままがずっと続くかと思うと、頭を思い切り抱え込みたくなる。ワタシみたいな境遇の人間が同年代には多い。名の知れた大学を出て、結構な資格を取り、でも就職でつまずいてしまった結果、故郷にずっといる縁故採用公務員なんて恥ずかしい連中も笑うだろうワタシ。
あいつらは都会に出たら失笑の対象となるだろう、そのことがわかっているのか?解っていても地元にいる限り威張っていられる…
都会にいるしかないのだ…
という二十台もいくらでもいるんだろうなあ・・・と。