名士様を誉めそやせ、先祖を褒め称えろ、これが傲慢だ! | クソイナカ…周囲はほとんど既知害ばかり

名士様を誉めそやせ、先祖を褒め称えろ、これが傲慢だ!

食えなくなっちまった藩士の4男がな、四男の子供だぜ、が俺は藩士でー!とかほざいてんだと。でもよ、なんかしんねえけど、そんなのありがたがって、いや藩士様のせがれだとか妄信しちまうバカ、こういうのってなんでかしんねえけどガタイいくってよ、ついでに腕っ節もあるっつんで、ムラの用心棒みてえになっちまうの。四男の子供がその中心で、なんつうのかな、生まれたときから、百姓仕事なんてできっか、っつのと、百姓見下してんのが独特のカリスマ性になったのかしんねえぞ、でもあんだけの腕っ節のやつら従えるんだから相当のもんだぜ。でもよ、ひいジイサンから言わせて貰うと、従ってる奴がバカなだけでよ、正直搾取されてんだろ、って。ひいジイサンいっつもぼやいてたよ。あの四男の子供絶対に自分の手汚さずに、いっつも後ろに手組んで、ウム、とかな。それみて感心してんだよ、取り巻き連中がさ、いや武士というのはしつけがしっかりなされとる、って。

やっぱりちょっとでも文字が書けたりすると、四男の子供が自分に都合のいいことをムラの歴史として書き記すんだと。でもって俺のひいジイサンすげえワルモンにされてんだわ。全く怠け者で、とかさ。いや孫の俺から見てもそれありえねえだろ、っておもってたもん

ひいジイサンそんなクソイナカがいやになっちまってさ、だから浅賀のホッタテ小屋ホッポって歩いて桑折山から東京に、ってルートだ。

その四男みてえのがもっともっと、って力やら金やらほしいとか、あと周囲が一家一家って持ち上げるもんだから、ヤクザの真似事がほんとにヤー公になっちまうって。

開拓者よりヤクザのほうが格好つくっていうか、威張れるだろ、っていうんで、一応血筋としてのお侍がヤクザになる、って経緯だよ。

まあヤクザってのはそんなもんだ。あと日本人の魂とか言ってる侍ってのもその程度のモンだ。百姓にかっこうわりいこと全部押し付けて格好つけてる連中ってのがな、そんなもんだよ。


東京生まれ、というのは丁寧な標準語をしゃべる人か、あるいは江戸弁でしゃべる人かのどっちかだろう、という認識を見事に崩してくれたのは、進学で上京して住んだ江戸川区の町に住んでいた人たちの言葉だ。「~べ」だの「やんべ」だの、こういうのは漫画で出てくる東北出身者の使う言葉で、東京で聞くとは思っても見なかった。がしかしこの手の東北方言というのを東京でいくらでも聞いた。江戸川区、という土地柄だろうか?下町というよりも町工場が点在する地域で、いくらでも聞いた。

「おめ、関西か~」ところどころ出てしまう関西アクセントが抜こうにも抜けるものではなく、ならま、いいかていどのあきらめをもってして早10年以上が経っている。


目の前の長井さんが自分の生い立ちを語っていた。足立区生まれ、というのをねたにして、越境して中学は千葉まで行っただの、地元の橋のところに目立つように「諸木連合」と書いてあって、小一のころから地元の族の名前を知ってただの、高校のとき北千住の駅周りうろうろしてたら幕魂塾の街宣車に乗っかってる見慣れた顔をみて、そいつは同じ小学校だったとか。

ルーツまで語りだした。おじいさんの代から東京の足立区、三代すめば江戸っ子か、というので「江戸っ子ですね~」というや「ちっとちがうか」と力なく笑った。

「少なくとも諸木は下町じゃねえな、いやそんなイキな感じしねえよ。ほんもんの江戸っ子が鼻で笑うだろ」


ただ全国各地の名士様にカメラを向けていくうちに、どうも「本当に立派なのか?」という違和感が生じるようになってた。その取り巻きがどうにもバカそうだとか、あと時折悲しそうな表情をする、マトモかな?というような人たち。早朝から名士様を誉めそやすために集められた、地域の一同。

名士様は誇らしげに先祖が武士だとかほざくけど、じゃあ武士ってのは何か尊敬に値する何かをしていたのだろうか?と。マイクを向けられて嬉々とした表情をする名士様の手は労働者の手ではなかった。

郷土資料でいかに名士様の祖先が地域に貢献したかが記されているが、本当なのか?捏造はなかったのか?やろうとすれば簡単だろ?と。