名古屋市議会5月定例会の開会を目前に控えた2010年5月16日の日曜日。河村たかし市長は大阪にいた。橋下徹・大阪府知事が率いる地域政党「大阪維新の会」が大阪市議補選に擁立した候補の応援演説に駆けつけ、橋下知事との連携をアピールしたのだ。

 橋下知事は報道陣の取材に応じ、河村市長が市議会解散の動きを本格化させていることについて「議論しても決着できないなら、選挙で訴えるのは当然だ」と支持。名古屋市議選が実施された場合は河村市長の支援に前向きな姿勢を示し、河村市長からの「ラブコール」に応えた。

■市長側は議会リコール運動を起こす方針

 就任1年を超えた河村市長と市議会の対立は、対話の糸口がつかめないまま膠着状態が続いている。

 河村市長は、市民税一律10%減税を最大の公約に当選。2009年12月の臨時市議会で条例を成立させた。しかし、10年度予算案で市債が前年度から85億円増加して1110億円に膨らむなど、市の財政は苦しい。このため、市議会は2月定例議会で、減税を「10年度1年限り」とする条例を可決。

 これに河村市長が強く反発し、4月の臨時議会に市民税10%減税の恒久化案を提案。併せて市議会定数と議員報酬の半減案なども提案して議会に「宣戦布告」。さらに市長側は議会のリコール運動を起こすことを打ち上げ、市長と議会の全面対決の様相を帯びている。

 河村市長は10%減税恒久化案を6月の臨時会に再び提案する構えだが、議会側の反発は強く、成立するめどはまったくない。市長が5月定例会ではなく、6月臨時会に再提案する意図は、7月の参院選に向けて有権者の政治への関心が高まる機会に自らの公約の正当性を再度訴え、それに立ちはだかる「議会=抵抗勢力」との印象を市民に与えて、参院選後の実施も念頭に置く市議会リコールと、その後の市議選を有利に進めようとの思惑からだ。

■対決第2幕は参院選後に開く

 河村市長は4月下旬に地域政党「減税日本」を立ち上げた。これに同調する現職市議は今のところいない。市長は「自らの支援団体ですでに候補者を募り、50人前後が出馬の準備を進めている」と説明している。

 議会側は、「変わり者」市長の矢継ぎ早の攻撃に結束を強めているが、議員報酬削減などをめぐって各会派、必ずしも一枚岩ではない。これまでオール与党の馴れ合いとされてきた名古屋市議会に、「議会として審議する必要を実感し始めたことは、ある意味で『河村効果』」と自嘲気味に話す市議もいる。

 議場外での戦いも激しさを増している。河村市長は、支援団体に議会解散のための署名活動の下準備をさせ、署名集めのための「受任者」は6200人を超えたと豪語する。大阪の市議補選にまで応援にかけつけ、知名度抜群の橋下知事との連携をPRするのも、市議会解散をちらつかせながら市政運営の主導権をにぎろうとするお得意の演出ともいえる。

 「東京に力で勝ち、京都に文化で勝つ。名古屋の魅力を発信せないかん」。この1年、人々の関心を失わないようネタを出し続けてきた河村市長。次に打ち上げる花火が大輪と咲くかどうか。第2幕は参院選後に開く。


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