京太郎の銃は、ぶっ飛ばされたときの反動で、左手の田んぼの中に、落ちて、しまいました!
中腰で、黒ずくめの男を、睨みつける、京太郎!
もはや、勝機は、ありません!
・・
ズサササーーー!
右手の、草むらの中から、透華が、走り出して、来ました!
なんと、拳銃を、持っていません!
・・
透華が、黒尽くめの男の向こう側5メートル。
京太郎が、こっち側に、5メートル。
午後9時10秒、11秒・・!
残り時間が、刻々と、短くなって、います!
・・
アッハッハ!
ガキども、全員、こっちに回って、手を上げろ!
ナチス男が、命令しました!
・・
チッ!
俺の方に、ってか!
甘く見られた、もんだ!
・・
透華が、こちら側に、来ました!
どうしたんだ、銃は?
不発なのよ!
今まで、1回も、こんなこと、なかったのに!
・・
強化人間の俺たちを、8人中7人まで倒すとは、凄いガキだな!
だが、これまでの、ようだな!
その銃も、不発なんだろ!
この女を、射殺した後、ゆっくり、1人ずつ、料理してやる!
・・
雪が、降っています。
暗い、悲しい、遠い国の、闇の中から、雪が強く、降って、来ています!
・・
予言の因果律(causality)を、破るには、瞬間移動しか、ない!
だが、奴より疾く、奴を、殺せるのか!?
・・
はぁ、はぁ!
よし、今だ!
・・
透華を守るように、透華の前にいた京太郎が、消失しました!
・・
パシャ!
田んぼで、音が、しました。
その一瞬後、京太郎は、ネオナチ野郎の5メートル向こうの空中に、現れていました!
・・
チッ!
しまったー!
当然ながら、犯人に、背中を向けている、俺!
ノーチャンス!
・・
ズダーーン!
京太郎が、無茶苦茶ですが、空中で身体を、おもいっきり捻って、ナチス野郎を射撃しました!
・・
京太郎!
京太郎さん!