15日ベトナムTuoiTre紙記事によると、中国から多くの「合金」偽装をした粗鋼鋼片がベトナムに輸入され、国内製鉄業は不公平な競争を強いられている。

ベトナム製鉄協会によると、今年9月までに約100万トンの「偽」合金が中国からベトナム市場に流入しており、本来払うべき9%の輸入関税を払わずに市場を席巻している。8,9月の2ヶ月だけで約189万ドルが徴税できていないことになる計算。

ベトナム国内製鉄業界も世界的な生産能力過剰の例に漏れず、稼働率の低さに悩まされている。それに加えて、ハティンフォルモサ、ズンクワットなど大規模な製鉄所の稼働開始を控えて、更に生産能力は拡大しそうだ。もちろんそういった大規模プロジェクトが狙うハイエンド市場より課題が大きいのは、中国からのこういった粗鋼との競争も激しい中小の製鉄業であろう。(こちらレポートなど参照)

中国側も一時期の好景気、建設ラッシュが一息つき、国内製鉄需要が少なくなれば、当然近隣国への輸出圧力は相当高まるはず。実際今年9月統計では鉄鋼輸出が伸びているというニュースも。世界の粗鋼生産の半分を占める中国からあふれ出る鉄の勢いを抑えるのは容易では無さそうだ。