最近の問題意識である中国農業は気合入っていないのではないかというキーワードから、また大変地味ーな話題で恐縮ですが、新京報での読者投稿よりです。まずはその記事の訳を;

 郷鎮には必ずある「農校」、そこには一名の兼任教師がおり、その人が農民への農業技術トレーニングを行うことになっている。でも、授業受けてる農民見たこと無いし、やっている教師も見たことない!しかもその先生って本当は学校のただの先生だよ、農業技術なんて勉強していないし、農民の方がナンボも農業について詳しいよ!

 ただ、ともかく農校はあり続け、その兼任教師は何だか忙しそうに、ネットからコピペしたカリキュラムを上級政府に提出し、農民が参加してやった作業ということになっている資料を、やっぱりネットからコピペして作っている。小学生が宿題を写すのと変わらないよ。しかも、「講義を受けた」はずの農民は外でずーっと出稼ぎ・・・。こんなことにどれだけの財政資金が使われているのやら・・・。

【考えたこと】
 先日の「ぶっちゃけ怠け農業」に勝るとも劣らない怠けぶり、しかも今回は国家予算を使いながらの怠けぶりなので中国の新聞読者も頭にきて書いたのでしょう。いわゆる伝統的な農業技術普及って今の中国では本当に機能していないと聞きますが、この「農校」の役割もほとんど聞きませんね。たまに先進的な地方では、テレビやらの番組を通じてやったりしているようですが、それは例外的なのでしょう。

 正直この「農校」についてはこれまで地方を歩きつつも、その存在をほとんど意識させられませんでした。公的な農業技術普及機関のようですが、その役割を担っているであろう「农技站」(農業技術ステーション)とも違うようですし・・・、ちらっとネットでも調べてみたのですが更に要調査です。しかも、そういう通常の農業技術普及行政も、市場化の流れに畸形的に付いて行ってしまい、現在は肥料や農薬の仲介販売業者のような役割が主で、肝心の技術研修は「予算がついていない」と言ってほとんど実施されていません。拠点も人員も削減傾向です。

 農業に気合の入っていない農家と、農業技術普及に気合の入っていない農校のぶつかり合い、ましてや環境に配慮しながら農業をなんて言い出したら・・・、やっぱり対象とすべくは普通の農家ではない気がしてくる今日この頃です。研修ってやる気のある人にして初めて意味がありますもんね。「早く街に行って出稼ぎしたい!」っていっている人の首根っこ捕まえて講義受けさせても、その効果はたかが知れていますしね。