太田和彦氏は元は資生堂に籍を置くアートディレクターで、退社後、東北芸術工科大学の教授も務めた。現在もアートディレクターとして活躍中だが、居酒屋評論家としての位置づけはそれと同じぐらい高い。
居酒屋紀行シリーズに代表される"居酒屋本"は居酒屋フリークのバイブルとなっている。
吉田類氏は画家、イラストレーターの経歴を持つ一方、酒場詩人として知られている。酒場関連の著書や"吉田類の酒場放浪記"などで有名だ。どちらが偉いとか、凄いとか、比較しても意味がない。
ただそれぞれの酒には特徴がある。
[担当領域]
太田氏…居酒屋、小料理屋、バーが守備範囲
吉田氏…おもに大衆酒場
[飲み物]
太田氏…ビール、その次ぎ方にはうるさい。酒、好物の様子。バー、「僕にジントニックを…」
吉田氏…ビール。酎ハイ系。深いうんちくではなく、大衆的なものが好み。
[食べ物]
太田氏…魚系中心。地域と旬に詳しい。
吉田氏…もつ焼き、焼き鳥など大衆酒場の肴中心。
[スタンス]
太田氏…酒と肴を味わう。ほろ酔い。
吉田氏…酒場の雰囲気を楽しむ。かなり酔う。
[展 開]
太田氏…全国。
吉田氏…関東域中心。
酒飲みで知られ、著書まであるなぎら健壱氏は、どちらかというと吉田派に分類される。
太田氏は酒を飲み、肴を本当に美味そうに食べる。
吉田氏は気を使わず、心底、酒を楽しむ。
どちらも酔っぱらって騒ぐタイプではない。
