私の心の中に、川があると気づいたのはいつだったろうか。
しかしどうしたわけか、その川には魚がいなかった。
いなかったので、魚というものがどんなものか知るために、
いろんな人に聞いた。
イルカのように賢いものだと言う人もいれば、
ペンギンのように可愛いものだ、ウナギのように高価なものだ、
いろんな声がしてきた。
ちょうど人間の胎児が母胎の中で地球上のあらゆる生き物の変遷を
たどるといわれるように、いろんな記憶が浮かんでは消えていく。
そこで私は人間が魚だったころの記憶の片鱗を集めてみようと思った。
年数がたつにつれ、川底にキラキラ光る鱗のようなものが瑠まってきた。
よく見るとその鱗は小さな魚になって泳ぎ始めた。
Holy! Kawaii!
それはやがて川におさまり切れないほどのBig Fishに育ってしまった。