◇反対派市議、削除求め動議
 08年の南魚沼市長選でも争点の一つとなった同市の野球場建設問題が、再燃している。今年5月、大原運動公園整備検討委員会から基本構想の答申を受けた市は、現在開会中の市議会9月定例会に基本計画設計業務委託費1000万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を提出。これに対し、建設に反対する市議は委託費の削除を求める動議を出すなど、野球場建設の是非を巡る論争が活発化している。【神田順二】
 ◆議会での攻防
 井口一郎市長は市議会9月定例会初日の7日、万条野球場(軟式用)や多目的グラウンドがある塩沢地区の大原運動公園の整備基本計画設計業務委託費1000万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を提出した。
 これに対し、建設に反対する市議は「委託費は野球場建設を前提にしたもの」として、削除を求める一部修正動議をした。
 井口市長は「委託費は大原運動公園全体を対象にしたもので、野球場に限定したものではない」と説明。動議は否決された。
 ◆建設構想の発端
 野球場の建設構想が浮上したのは、04年に六日町と大和町が合併し、南魚沼市が誕生した際に作られた新市建設計画。六日町長森地区の町有地20ヘクタールに野球場を含む総合運動公園(整備費約21億円)を整備するという計画だった。
 ところが、05年に同市と塩沢町が合併すると、同町から大原運動公園整備(同約5億円)の要望が出された。しかし、2カ所の整備は困難として、既存の大原運動公園を優先して整備することに計画が変更された。
 ◆市長選でも火花
 野球場建設は08年11月の市長選でも、焦点の一つとなった。立候補、落選した元市立城内病院長の小山信二氏は「10億円もする立派な野球場よりも地域医療の充実を」と訴えた。一方、井口市長は、野球場構想が具体化していなかったこともあって、大原運動公園の整備を強調するにとどめ、再選された。
 しかし、市長選を機に、豪雪地帯における野球場建設の意義を疑問視する声が水面下でくすぶり始めた。
 ◆今後の行方は
 これまでに市野球連盟は8000人の署名簿とともに早期建設を求める要望書を提出。一方、共産党を中心とした市民グループは計画中止を求める1万9212人の署名簿を提出している。
 こうした中、大原運動公園整備検討委は、プロ野球の独立リーグや高校野球の県大会が開催できる収容人員4000~5000人規模の新球場構想を答申した。
 井口市長は反対署名について「重く受け止めるが、署名簿には同じ筆跡で何人もの名前が書かれている」と不快感をあらわにしている。さらに「委託費は概略設計であって、基本計画ではない」と強調。万条野球場については「硬式野球ができるグラウンド改修にとどめた場合、スタンドを付けた場合、さらに室内練習場を設置した場合の3パターンについての建設費を見積もった段階で、市民に説明し、建設への理解を求めたい」と話している。

9月22日朝刊



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