昨日、母校の武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科ガラス研究室より特別講師としてお招きいただき、3年生13名がキルンワークの課題で制作した花器に私が花を活けるという特別講義を行ってきました。
このいけばなの特別講義も今年で5回目。ガラス専攻の学生たちが私の特別講義を楽しみにしてくれているようで、とても嬉しく、また有難く思います。
そういう自分も学生たちの器に花を活けるのが楽しみで、当日の朝5時に目が覚めてしまいましたが(笑)
では、この場をお借りして学生たちとのコラボレーションの様子をアップいたします。
花:スプレーマム数種
器:池谷三奈美作ガラス花器
和菓子をモチーフにした非常にかわいい花器です。
和菓子屋さんの店頭でディスプレイしているかのように扇面の敷板に並べ、スプレーマムで彩りを添えました。
縁起花の菊に末広の敷板でちょっとおめでたい要素も含ませています。
まさに目で味わう和の甘味です。
花:カラー
器:飯塚彩作ガラス花器
一見ガラスとは思えない独特の雰囲気の器です。
器の中に花を収めて穴から覗かせる活け方もできますが、ここでは穴を縫うようにカラーを通しました。
有機物と無機物が絶妙に絡み合っています。
花:スプレーマム数種
器:西田あゆみ作ガラス花器
球体のガラスの籠のような花器です。
画像では見えませんが、外側と同じテクニックで内部に花留も作られており、実によく考えられています。
様々な花を生かせそうな器ですが、ここではスプレーマムを選び、色とりどりに器の中に収めました。
ガラス越しに楽しむ密やかな秋です。
花:スイートピー、カスミソウ
器:羽石百合香作ガラス花器
大らかな形をした氷のような花器です。
ガラスの氷の上に花で雪を積もらせました。
ガラスと花とが描き出す白一色のやさしい冬景色です。
花:アンスリウム、モンステラ
器:佐々木綾乃作ガラス花器
2枚の厚いガラス板で花をサンドイッチするかのような花器です。
器のフォルムがモンステラの葉とぴったり合うので、モンステラを入れて器の景色とし、上に同じサトイモ科のアンスリウムを伸ばしました。
単純な構成ながら、花と器の呼吸が一致したかのようなあしらいになりました。
花:カスミソウ
器:愛須文也作ガラス花器
四角いガラスの水盤から梯子が天へ伸びているどこか詩的なデザインです。
梯子の右側の空間を生かしつつ、梯子に花を関わらせなければならない難しい器ですが、カスミソウをマッスで梯子の右側に湧き立たせ、花を省略したカスミソウを梯子に振り出しました。
ガラスの水平垂直にカスミソウが柔らかい表情を加えています。
花:ゲットウの実、バラ
器:山野井千明作ガラス花器
円盤状のガラスの花器です。器の右側に小さな活け口があります。
器の重量感に負けないように、個性的なゲットウの実を器に渡しました。
足元にはゲットウの実と同系色のバラを。
色彩的・形態的にインパクトのある作品になりました。
【後編へ続く】
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