平成26年度都立大泉中の適性検査Ⅰは、出題傾向を変えてきました。


小問3問で、作文を出しませんでしたね。

すべて、200字以内に収める問題です。満点は200点です。


配点も問題1と問題2が70点、問題3が60点と、一番最後の問題の配点が一番少なかったのです。これはいったい何を示しているのか・・・。

昨年度、都立立川国際中等教育学校の適性検査Ⅰに作文ではなく、「添削」を出題しました。これも意表を突かれた問題だったと思いますし、私自身そのような問題を見た記憶はありません。小5の適性検査文系対策で、作文を教えるために添削らしき問題をやらせたことがありますが、あくまでも作文の書き方を教えるための前提を教える指導であって、受検問題自体の対策ではなかったものです。


おそらく、昨年の問題をはじめ、なかなか得点できない生徒が多かったのでしょう。確かに、得点開示をみても昨年は適性検査Ⅰで合格している生徒で100点以上の生徒は確認できていません。私の見た中では、合格者のうち女子で70点という数字が最高点でした。

そういったことから、点数をつけやすくするため、また受検生への対策の負担を軽減するためにこのような処置をとったのではないかと推測されます。模範解答もすべて省略となっていることから、生徒ごとにそれぞれの採点をしたのではないでしょうか。塾向け説明会の時にでも聞いてみようと思いますが・・・。


さて、

今回の長文は1つのみ、玄田有史さんの「希望のつくり方」の出題です。

【問題1】将来の職業の希望についての調査結果から、それをもとに筆者が述べたかったことを説明する問題です。

ここでは、問題冊子の1ページ目の7段落目をまとめれば要旨としては十分ですが、解答としては不十分です。文字数が100字くらいしか書けません。なので、その前にある小学生と中学生の時の希望の状態やその変化を入れたり、後半部分の文章でプロ野球選手をあきらめた青年の例から、筆者が言いたかったことをその7段落目の要旨の中に組み込むことができればきれいな文章になるのではないでしょうか。


【問題2】具体的に自分の言葉で「やりがい」について書く問題です。友達の投げやりな言葉に対してのものです。ここでも、本文に関する調査結果を用いて、ということなので、自分の考えをストレートに書けばいいという問題ではありません。データを見て書くということに気を付けないといけません。


【問題3】本文最後の「野球をあきらめた青年の物語」から、職業や進路を決めるときには何が重要だとあたなたは考えましたか、という問題。そう思った箇所を2つあげて書く問題。ここも、要旨趣旨を読み取ったうえで何を感じたかを書くので、自分のこれまでの考え方や感覚で書いてしまうと的外れな解答になります。


これらは、受検生に、この文章を読んで何を学んだかを聞いているように思います。なので、模範解答が省略になるのでしょう。適性検査なので、試験ではないというメッセージがあるように感じます。問題1から問題3に共通するのは、本文を読んでなにを考えたか、という問であることです。そこを私立の入試のようにとらえると、どんな本を読んだらよいのかとか、この著作は読んでおきなさいとか、的外れなアドバイスが生まれてしまうと思います。ただ、こういった読書をひていするつもりはありませんが、読書のあとに、感想を簡単にまとめたり、学んだことを聞いたりする必要はあると思います。あまり、正解しようという意識は捨てて、素直に学校で勉強しているような感じで挑むとよいのではないでしょうか。