大問2【問題2】は、学校発表の解答では1つしか出ていません。

なので、3つのパターンすべてを載せてみたいと思います。


ここの問題は、明治維新後の日本で新暦が導入されたことについて考える問題です。


問題用紙にある<資料3>のAの短歌は古文短歌ですが、意味のところに現代語訳が書かれていますのでことらを参考に解き進めるとよいでしょう。

新暦は、旧暦とことなり15日でも満月にならない。朝まで月をまってしまったよ。という意味がでています。これは、新暦は太陽の動き、旧暦が月の動きに着目して作られたために、15日になっても満月にならず、ついついいつ出るのか待っていたら朝を迎えてしまった。という意味ですね。

当時の人たちが、新暦になかなかなれずに大変だった様子がうかがえます。


そこで問題は、ア~ウの資料から当時のどのような人々が、どのような意見や考えを持っていたのかを読み取り、書きなさい。だそうです。


ア・福沢諭吉の意見文

新暦への変更は、実に驚くべきことであるが、物事の基本をよく考えれば不思議なことではない。この変更について反対をする人は、学問をよくわかっていないし、逆に反対をしない人は学問をよく心得ている人である。


⇒福沢諭吉を選択した場合

当時の学者や学生たちの中には、新暦になかなか慣れずに戸惑い旧暦がよいと反対している人たちがいる。反対している人たちは、物事の考え方を理解できていないようだ。新暦に反対をしない人たちは、それがよくできている人たちであり、新暦に慣れようと努力している。


イ・浅野梅堂の意見文

我が国も新暦を用いることになり、12月3日が新暦の1月1日になる。そのため、初春の詩や和歌などを作ろうと思っても、初春の題材である梅の花はまだ咲いていない。

約1か月も早く新年を迎える歴なので、当然のことながら初春といっても春の題材はまだ現れてませんね。クリスマスの前にお正月が来るようなものですから。当時の歌人たちも戸惑いを隠せない様子が覗えます。諭吉ほど民衆のことをはっきりと描写する表現ではありませんが・・・。


⇒浅野梅堂を選択した場合

新暦を導入し、歌人・詩人たちは、季節感のずれに戸惑っている。いままでより1か月早く新年を迎えるので、初春の詩を書こうとしても、代表となる梅の花すら咲いていない。季節感が異なってしまいなかなかうまく詩や和歌が書けずに困ってしまっている。


ウ・外国人向けの英字新聞

日本では、今度の1月1日から、ヨーロッパやアメリカで使っているカレンダーを使うことになった。この結果、1年間の月の日数など、まったく我々のカレンダーと同じになった。このことは大変便利であるし、正しい変更だと思う。

当然のことながら、ヨーロッパやアメリカから来た人々にとってすれば、自分たちが使ってきた歴を日本でも採用されれば過ごしやすくなることでしょう。季節感や月の読み方など、これまで日付を確認するにも手間がかかっていたように思われます。


⇒外国人向け英字新聞を選択した場合

これまでは、日本独自の暦が採用されていて日付を知るだけでも非常に手間がかかっていたし、大変だった。今度の1月1日より、われわれが故郷で使っていたのと同じ歴になるので、この変更は大歓迎である。



ポイントとしては、問題に「だれが」「どのような意見や考えを持ち」というところを意識しました。表現の仕方としてはほかにもあると思いますが、どうぞご参考に資してください。


ちなみに・・・

こういう出し方は少し、武蔵に似ていますでしょうか。資料から深く読み込んでくださいね。という意図が覗えます。ただ、武蔵はこれ以上に踏み込みますのでそこまでは、答えとしては求めていないようです。