温泉はなぜ体によいか(1) | いきいきクラブ

温泉はなぜ体によいか(1)

温泉の発見
 動物が温泉に浸って傷を癒やしているのを、猟師や木こり、修験者などが見つけて、温泉発見のきっかけをつかんだという話は、洋の東西を問わず多い。
 温泉発見の伝説をひもといて、動物にちなんだ温泉をみてみよう。白鷺が発見したとされる温泉は湯田川(山形)、下呂(岐阜)、山中(石川)、椿(和歌山)、湯郷(岡山)、鷺ノ湯(島根)、武雄(佐賀)、道後(愛媛)などである。
 鹿にちなむ温泉として浅虫(青森)、峩々(宮城)、山鹿(熊本)、鹿沢(群馬)、鹿教湯(長野)などがある。
 鶴は、上山(山形)、城崎(兵庫)など。このほかにも、猿、熊、キジ、などが発見したとされる温泉も多い。このように温泉とのかかわり合いをもっていたのは、動物の方が先であったようである。
 薬をもたない動物たちは、傷や病気を治すのに遠い昔から温泉を利用してきたのであろう。
また、温泉と名僧のかかわりも深い。外国でも聖者の名のついた温泉地があるように、温泉は
信仰との結びつきも強い。日本では、弘法大師、行基、役小角といった僧が一番多く温泉を発
見したとされている。

【出典:「温泉はなぜ体によいか」 植田理彦 著 より】