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『いきいきカフェ』

下馬デンタルクリニックの みんなでトライ!!健康ブログ

第16回いきいきカフェ、テーマ「内部障害を地域で見守るには?」今回のゲストは自らが全身性エリテマトーデスである北原詠美子さんをゲストにお招きしました。
内部障害は、目に見えない障害です。
人工関節をしている方、重い内臓の病気をお持ちの方、例えば腎不全や1型糖尿病、狭心症、動脈硬化、大動脈瘤、がん、難治性の疾患など、外見から見えない障害です。

北原さんは、全身性エリテマトーデスのなかでも、限局性の症状が強く出ているタイプ。下肢のむくみが顕著で、冬は分厚い靴下にカイロを入れているそうです。血行不良のため、末端の血液が行き渡らず、手の指先が紫色になる、レイノー現象も起こる。そのため、指先を温めるように手袋やカイロは欠かせず、指先マッサージなどもしているそうです。

ところで皆様、「ハートプラス」マークをご存知でしょうか?

東京都をはじめ、各自治体で内部障害を知ってもらうためのマークです。こちらのマークをお持ちの方は、何らかの形で援助を求めています。見かけたら、お声かけしてみましょう。東京都でも推奨している活動です。https://youtu.be/bhXIEJDMcJ4

ひらめき電球ヘルプマークは何のためにつけるのでしょうか?
今回ワークショップ参加の皆様の中には、数名当事者がいました。
【当事者の証言】
・突然のアクシデントに遭遇したとき、医療関係者や家族に自分を発見してもらうため
・普段の生活では、特別な援助を求めていないが、マークをつけることで、周囲の人に知ってもらうため。
・体力がなく、人混みでは疲労が激しいので、交通機関で優先して席を譲って頂けると助かる。
・マークを付けたからといって何も変わらない。同じように辛い障害を持っている人がいることを周知してもらいたい。

透明なキーホルダーもある。
「見えない障害」を透明で表現しているが、分かりにくい❗
自治体によっては、「ハートプラスマーク」がなく、カードになっているところもある。

ひらめき電球内部障害を職場や御近所にカミングアウトしているか?
こちらのイベントに参加した当事者数名は、皆様《NO》でした。なぜか?
・周囲に気を遣われるのがいやだ
・職場で目の敵にされるのがいやだ
・人間関係がある程度築かれた後で、親しい人にだけカミングアウトしている。

例えば、町内会の草刈りなどはとても苦手のようだ。長時間しゃがむことができない。参加者は高齢者が殆どなので、若いのにやらないとは言いづらい。
さりげなく、立って動く動作を頻繁にしている。
ひらめき電球体調が優れないのに、周囲から冷たい態度をとられたとき、どうしたか?
・抗がん剤治療後、電車の中で優先席に座っていたら、高齢者に「席を譲りなさいよ。」と言われた。
理由を説明して、言った人に理解してもらった。しぶしぶといった様子で嫌な気がした。(嘘をついている訳ではないのに。)
・病院の診察日が月曜日のとき、休みをもらうのが辛かった。
派遣で仕事しているが、体のことを優先したいので、休むことがある。しかし、忙しい曜日なので、休むことに躊躇することがある。
病気を理解してもらえるように、とにかく説明して、理解してもらう。


ひらめき電球周囲からの声かけで嬉しかったことは?
・「席を変わりましょうか?」と席を譲ってくれたこと。
・緊張しない場の雰囲気を作ってれたとき。
・疲れないように、休憩や時間の配慮があること。


ヘルプマークの普及のために
【地域の住民ができることは?】
・ヘルプマークの意味を理解してもらうため、SNSなどで宣伝する。
・ヘルプマークを全国で統一し、交通機関や各種公共機関、学校を始めとする教育機関などに周知を徹底させる。
・「ハートプラスマーク」の意味がわかりづらい。赤と白が逆だと、赤十字に見える。医療関係者のマークにもみられる?
旅行鞄についていたら、‘I love switchland'に見えるかも?「スイスが好き❤なの?」と言われかねない。
可愛い鞄に付いていたら、「おしゃれなブランド?」✨
十字が目についた人に、十字を切られた?(キリストですか?)

そう言えば、東京オリンピックのエンブレムの件で揉めましたが、分かりにくいデザインや伝えたい意味に誤解を生じやすいものは避けた方が良いですね。

ヘルプマークの普及
【当事者にできること】
・内部障害を理解してもらうこと
・どのような病気で、何が辛くて、周囲の人にどうしてほしいかを伝えていく
・自分の病気を明確な言葉で一般のひとに理解してもらうような訓練をする
・受け身ではなく、誤解のないように自分の意思を正しく伝える訓練をする



感想拍手
内部障害は見えない障害。でも、気づくことが大切です。障害者はいつ誰が突然なるかわからないのです。他人事ではなく、「もし、自分だったら…。」と常に考えるようにしたいです。「当事者も言いづらい、でも気付いて欲しい。」このジレンマを解決するには、病気を理解することからが大切です。そして、相互理解することです。当事者が自分の言葉で語る場が必要なのです。「いきいきカフェ」は、医療者と住民がお互いに語り合い、自分ごととして住民が意識をもつことを目的としています。小さな活動ですが、少しでも皆様の心に響くものであって欲しいと願っています。