関西ブロードバンドにご用心! | 壱岐を知ってますか

関西ブロードバンドにご用心!



「弁天崎です。」


「島が元気になるテレビ」「壱州人によるテレビ局」を合言葉に

壱岐ケーブルテレビ指定管理者を目指しましたが、見事に怪しいセールスマンに騙されました。


 去年10月、壱岐の知人より電話が入りました。

「壱岐にケーブルテレビができるけん、帰ってて来てテレビ局を作ってみんね。」

その言葉は、僕の心をゆさぶりました。

 僕が東京に出てから30年、テレビの編集と制作会社を設立して20年がたちました。
東京の会社はどうする、誰に任せる。しかし、壱岐でテレビ局を運営してみたい。

いつか島に帰って、壱岐にテレビ局を作くるのは僕の夢だったのですから。


 「やってみよう。」壱岐に向かいました。


そこで、島の有志と「壱州人による島内企業として壱岐のケーブルテレビを作ろう」と合意しました。

私たちは、協議を繰り返し、島の現状と将来を考え、この島でどういうテレビ番組を作るのか

どんな通信、情報サービスを提供していけるのかを話しました。

そんな時に怪しいセールスマン風の男が擦り寄ってきました。

関西ブロードバンドのNといいました。
「僕たちは通信の情報格差是正に取組む専業者として、離島も含め通信環境の整備と各種サービスの提供など、住民の方々に喜ばれる付加価値の高い、低コストで、且つ、サービスの行き届いたCATV施設運営業務の実施をお約束致します。」

奄美大島徳之島でも施設運営をしています」

 怪しいセールスマンは、この「島の人のため」に、一緒に働かしてくださいとしつこく迫ってくるのです。
怪しいセールスマンはしたたかに、私たちの会議に入ってきました。

そして、僕たちは何度か協議するうちに関西BBとも一緒に

やっていけるかもしれないという気になっていきました。


そして、みんなで新しいグループ会社、壱岐市民ケーブルテレビを作り

(キャバレット・島の有志・関西BB)指定管理を受けることにしたのです。

壱岐市民ケーブルテレビ島内出身者が、主体の会社です。
「これで壱岐を元気にできるケーブルテレビ会社ができる」思いは膨らみました。
 

それからは、東京でテレビ番組を作りながらも、通勤電車の中で、テレビ局の中で

「壱岐市民が元気になるをテーマに5ヶ月間で50以上の番組コンテンツを考えました。

「壱岐の子供たちにはどんな番組が必要なのだろうか。」


「島のお年よりはどんな番組をおもしろがってくれるだろうか。」


「お母さんたちにはどんな情報番組が必要なのだろうか。」


「島を全国的に知らせるにはどうしたらいいのか。」と、

あらゆる空いた時間は壱岐のテレビ番組作りのことを考えていました。

また、島の人にも地域活性化のために、自ら番組を作ってもらうことも考えました。


全国で地域住民と一緒にテレビ番組を作っている人にも

アドバイザーになってもらうことも了承してもらいました。

また、この島と東京を含めた都市との交流を考え、

世界の映画監督「今村昌平」が一番信頼した人物をアドバイザーにお願いもしました。


 いま思えばこの時が一番充実していました。

なんといっても考えること全てが自分の一番大事な場所「壱岐」を元気にすることと繋がっていたからです。

 5月7日壱岐にて新会社 壱岐市民ケーブルテレビジョンの概要について、

私と島の有志、関西BBで協議しました。代表には村上がそこで決定しました。

グループ代表には、新会社の登記が済んでいなかったため、とりあえず関西BBの

名前を借りて出しましょうということで決まりました。

まさか、この事が後でこれほどこじれるとは思ってもみませんでした。


 5月11日、壱岐市ケーブルテレビ(仮称)指定管理者の募集が始まりました。

しかし、募集要項にはグループ企業名での申請の場合の条項自体が存在しませんでした。

しかし、逆に募集要項の「様式3号」はグループ構成表となっていました。


6月20日、企画提案説明会前日、最後の打合せに島の有志と関西BBのMさんとNさんが集まりました。

会社のシステム、規模、支配権、株式、人員、全てについて話し合い合意しました。

まさに島内で創る壱岐市民ケーブルテレビ(仮称)誕生の瞬間だったのです。


しかし、企画提案説明会当日、関西BBの社長がいきなり来て仕切り始めました。

この時からなにかいやな感覚を感じていました。


そして、企画提案説明会が終わったあとの打合せの場で

市の担当者は「うちはあくまで関西ブロードバンドを指定管理予定者として決定しています」と発言しました。

関西BBの三須社長は
さぁ、関西BBの壱岐支店をつくらなきゃ・・・。
 それとも関西BBの壱岐営業所かな。50坪の広さの店舗は必要だ
。」

              まるで壱岐を全て支配するような勢いで喋くりまわすのです。


この時「やられた、騙された」と思いました。


神戸の本社を尋ねたときに、三須社長は「僕たちは株式の上場を目指しています。あなたちはどうしますか」と言い放ったのです。その言葉を思い出しぞっとしました。


指定管理は関西BBが受ける。その子会社として島のケーブルテレビ会社を運営する。

市と関西BBには最初からこの構図を考えていたのでしょうか。


 それからゴタゴタの始まりでした。関西BBに断固たる抗議をいれ、「これは乗っ取りだと」このままだと一緒にはできないと申し入れしました。

すると、関西BBは、「乗っ取りです」と認めた上で、全てを6月20日に戻すのでまた、一緒にやらせてくださいと言って来ました。


その話をまとめた上で市長と面談しましたが市側は、指定申請書に書かれたグループ名がすべてだとの一点張りです。

こういう人たちに壱岐の全ての情報(通信、テレビ、電話)を託すことができるのでしょうか。

島民のみなさんよく見ていてください。怪しいセールスマンはどんな手を使うのかを。

彼らの頭のなかにあるのは自分の会社が全てだということを。


 芦辺港からゆっくりとヴィーナスが岸壁から離れていきます。
曇った窓から島影を見ながら、作りたかった番組が駆け巡っていきます。

これも作りたかった思いがふくらんできます


静かな海面には、がんばれと応援してくれた島内外の友人や先輩達の姿が浮かんできます
申し訳ない気持ちでいっぱいです。


でも諦めません、ここは、僕の一番大事な場所なのですから。


                       2010年 7月2日 ヴィーナス船内にて