No28 GOD BROTHERS | ikeママン物語

No28 GOD BROTHERS

~GOD BROTHERS~ 


NO28


















見つけた!!





隼人は橿原のぶどう園の坂を高速で登りきり

湖を大きく横切って

小さな民家にたどり着いた


竹田からの情報だとヨシノが捕まっているのはここだが

肝心のヤツらが足に使っているグロリアが

どこにも見当たらない



途端に隼人の全身に不安が襲いかかる


自分はまったく検討違いの場所にきたのだろうか

それとも どこかに移動したのだろうか




民家にはうっすら灯りが点いていた

こんなことならヨシノに発信機でもつけていたらよかった

隼人は胃につのる恐怖をおいやった

こうしている間にもヨシノの命が危ない


もしヨシノに何かあったら自分は

一生後悔しながら生きることになる



そう・・・・・

子供の頃 彼女を助けられなかった時のように・・・・


ふたたびそんな体験をするのは耐えられない

自分が死んだほうがマシだ・・・・





一瞬の出来事だった






小屋の方から悲鳴のようなものが聞こえた途端

隼人はバイクから飛び降り

弾丸のように飛び出した

頭であれこれと考えても仕方が無い 

本能に従うのが一番得意なのだから そうするまでだ




隼人は民家の木のドアに体当たりした

バキバキという音と共に ドアが開いた










「 ヨシノっっ!!! 」














男の呻き声が聞こえた



薄暗く 湿気で床が所々腐ってる 異臭をかぎながら

良く目を凝らしながら

突進しようとした時











隼人は目を見張った!!














ヨシノが男二人相手に

角材を振り回している

しかも

上半身裸だ!



一人の男がよろめきながら泡をくった目つきで

部屋の隅に追い詰められていた



隼人は幻覚ではないかともう一度

目をギュッとつむり

再びあけた








幻ではない











金髪を振り乱して

角材で男を打ち付けている

男は血を流している

その血しぶきがヨシノの白い腕についた



そして 暴れるたびに揺れる

形の良い 白い胸

色白であるがゆえに目立つ 薄いピンクの乳首

背中の肩甲骨からなめらかなウエストライン






すべてがスローモーションのように見えた


理性をうしない 闘争本能でキラキラしている






女アマゾネス!

戦いの女神!


これぞ まさに隼人の理想!








隼人はしばらくあっけにとられその場に

立ち尽くしていた

目は暴れるヨシノに釘付けだ





しかし

後方から 

もう一人のチビの手下がヨシノを羽交い絞めにした

ヨシノのあごの下には男の腕がかかっている

あれは 苦しい!


いかん! 助けなくては!





隼人は心の中で叫んだ











「 あぶないヨシノっ!! 」












・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


















男の腕がむき出しのヨシノの首を容赦なく

締め付ける


息が出来ない

筋肉にも腱にも力が入っているのが解る

せめて 息だけでも吸おうと口を開きヨシノは目を開けた









シュッ








隼人のブーツがヨシノの鼻先をよぎり

男の顔面に命中した

男は後ろの壁にぶつかり

そこで 

ようやく首が自由になり ヨシノはよろめきながら

大きく息を吸った




隼人は男への股間の蹴りと

後頭部へのすばやい 打撃を4~5発お見舞いした

驚くほど 敏捷だった





ヨシノは首を押さえ 霞む意識の中

なにが起こっているのか解らなかった



そして

自分の代わりに男をボコボコにしている人物を

目ではっきり認識すると

思わず叫んだ!!









「 隼人なのね!!  」









ピタッと一時停止のように隼人の動きが止まった

もう気絶しているであろう男の胸ぐらをつかんだまま

テレているかのようにこちらを向いて

こう言った









「 俺じゃなくて 誰だ?  」










ヨシノの全体にぞくりとした感覚が走った

緊張の連続でおかしくなったのかもしれない

そもそも 

なんでここに隼人が現れる理由があるだろう

幻かもしれない

頭はズキズキ 手は震えている  涙で隼人の顔が霞む







二人は見つめあった








すると 

もう一人の長身の手下が雄叫びをあげて

二人に突進してきた





二人同時にカウンターパンチ!

手下の顔面に二つの拳がめりこんだ








息がピッタリだ!















倒れていく男をよそに

二人は驚いて見つめあったままだった



























 おしてね☆