アンサンブルレッスン・セッションレッスンで取り組んでいること
(4)いかに終わるか
(4)いかに終わるか
ジャズベーシスト 池田 聡 のブログ
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アンサンブルレッスン・セッションレッスンで取り組んでいること(1) では
いかに始まり、いかにつなぎ、いかに終わるか
についてがアンサンブルのグループレッスンでの主な取り組みであることをお話ししました。
前々回の
アンサンブルレッスン・セッションレッスンで取り組んでいること(2)いかに始まるか
前回の
アンサンブルレッスン・セッションレッスンで取り組んでいること(3)いかにつなぐか
に続き
今回は、いかに終わるかです。
<いかに終わるか>
「終わり良ければ全てよし」と言われるように、
いかにきちんとエンディングが整うかで、その演奏の印象がかなり左右されます。
曲のエンディングは、少しおまけの部分を付けて終わるのが一般的です。
(「タグ エンディング」と言いますが、日本ではほとんど使われない用語です。)
その曲の定番エンディングについては、個々に覚える必要があります。
その他は、コーラスの終わり間際のコード進行のタイプ別に、一般的なエンディングが数種類あるので、それを実際の演奏と照らし合わせて確認するのが良いでしょう。
その中で、慣れないと1番面倒だと思われるのは、
「ぎゃくじゅん」
と言われるエンディングです。
「ぎゃくじゅん 」は「逆循環(コード)」を略したものだと思われますが、
音楽用語の「逆循環」とセッションの現場で言われる「ぎゃくじゅん」とは
やや違うニュアンスで使われています。
(「逆循」と表記する方もいますが、混同を避けるためあえてひらがなで「ぎゃくじゅん」と表記しています。)
セッションの現場で「ぎゃくじゅん」と言うのは、
曲の終わりのコード進行が
|Dm7|G7| C | |
のとき、
エンディングを引き延ばすために
Cに解決せず、Em7もしくはEm7♭5に行き、
繰り返して最終的にCに解決する、
具体的に表示しますと、
|Dm7|G7|Em7♭5|A7|
を繰り返して、最終的に
|Dm7|G7| C | |
と終わる、
ということを指します。
演奏上、難しいポイントは
|Dm7|G7|Em7♭5|A7|
のコード進行を繰り返してアドリブをしていて、
最終的に
|Dm7|G7| C | |
と終わるポイントをいかに共演者に知らせるか、
ということです。
再度テーマのメロディーを提示したり、
いかにも終わりそうなフレーズを演奏すること
によってエンディングに向かうのですが、
慣れないとたいへん難しいです。
これは通常、ひとりのソリストが担当します。
(稀にコレクティブ・インプロビゼーションになることもありますが。)
私のレッスンでは、このポイントだけ抽出して、
参加者全員に練習して頂いてます。
慣れていない方は、なかなか上手く終われないので、1回のレッスンの中で数回チャレンジして頂いています。
また、その日は出来ても、翌月のレッスンではまた上手く終われない、ということも珍しくありません。
「ぎゃくじゅん」については
ジャムセッション、アンサンブルの現場で
何度も失敗をする、という経験は不可避であると思います。
ジャムセッションで「ぎゃくじゅん」だけ練習することは出来ないでしょうが、
バンド練習では積極的に繰り返し練習するのが良いでしょう。
以上、私のグループレッスンでの取り組みを紹介して参りました。
難しいポイントは、それを抽出して繰り返し練習をする、
ということに尽きると思います。
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音楽用語の「逆循環」とセッションの現場で言われる「ぎゃくじゅん」とは
やや違うニュアンスで使われている、と申し上げた点。
ジャズの現場で「ぎゃくじゅん 」と言った場合、
"トニックに解決しないで繰り返す"
というニュアンスが含まれていると思われます。
「逆循環コード」という音楽用語にはそのような意味は全くありません。
質問サイトで「逆循って何ですか?」という質問が見られますが、
要領を得た回答は見られません。
概ね、循環コードとは、逆循環コードとは、という説明で終わっており、
それが"ベストアンサー"になっていたりします(^_^;)
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