グルタミン酸とGABAのシーソーの関係 | 医科歯科連携診療普及協会のブログ

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昨日記事にしたグルタミン酸について
補足したいと思います。


興奮系作用を及ぼすグルタミン酸は
体内で抑制系の神経伝達物質GABA
に変換されます。

グルタミン酸(興奮系)⇒GABA(抑制系)

通常は、グルタミン酸が体内で増えると
抑制系のGABAが同時に増えて
バランスが取れるように変化し
生体の恒常性を保っています。

興奮しっぱなしというのは、
やはり異常が起こっているのです。


何が原因かと言うと、
前回ご説明した食品添加物による
グルタミン酸過剰摂取もありますし、
これは、日常的に意識して避けられそうなものですよね。

他には、
・ビタミンB6不足
・感染症
・銅過剰
・重金属の蓄積
などがあると、このバランスに狂いが生じます。

グルタミン酸からGABAに変換させるには、
GAD(グルタミン酸デカルボキシラーゼ)
という酵素が必要になりますが、
この酵素の補酵素がビタミンB6です。

また、重金属はこの酵素を傷害します。

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グルタミン酸は体内にある主要な
興奮性の神経伝達物質であり、
学習にも、短期および長期の記
憶にも絶対不可欠なものです。

また、抑制性の神経伝達物質である
GABA(ガンマアミノ酪酸)の
前駆体でもあります。

GABA は鎮静性の神経伝達物質で、
会話能力に欠くことのできないものです。

グルタミン酸塩と GABA とのバランスは、
シーソーのようなものです。
正常な状態では、グルタミン酸塩の量が増えすぎると、
反対側の GABA が増えてグルタミン酸塩
が減少します。
内臓が正常に機能している状態では、
過剰な量のグルタミン酸神経興奮毒素は
GABAに転換されるのです。

自閉症児の場合、この経路に「障害」があるようで、
興奮性の神経伝達物質(グルタミン酸塩)が
増大し、抑制性の神経伝達物質(GABA)
が減少すると会話をしなくなります。

この微妙なバランスが壊れてしまうと、
大量のグルタミン酸塩が蓄積し、
GABAの量は非常に少ないままになるのです。
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『デトックスで治す自閉症』より


グルタミン酸は「神経興奮毒素」と
いいましたが、本来は必要なものです。

過剰になることが問題です。

必要なことは、グルタミン酸とGABAの
バランスを整えることです。

そのためには、
ビタミン、ミネラルのバランスを整え、
有害金属を排泄し、
食品添加物を控える
ことが必要です。

食生活や腸の環境が乱れることで、
ミネラルやB6不足を招き、
重金属の蓄積は更なる腸内環境の悪化を
もたらします。






医科歯科連携診療普及協会
事務局 岸正浩