解毒関連遺伝子について | 医科歯科連携診療普及協会のブログ

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解毒関連の遺伝子の例は
これだけあるようです。



そのうち、先日のセミナーで説明があったのは、
MTHFRAPOE
の2つでした。


遺伝子のことなんて
なんだか知るのが怖いようですが、
これを知ることによって
発病を予防すること
が目的です。

敵を知り、己を知ればなんとやらです。


さて、MTHFR(メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素)は、
ホモシステインの代謝に関与しているといわれる酵素です。

MTHFRは非可逆的に
5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸
(N5,N10-Methylen-THF) (基質)を還元し、
5-メチルテトラヒドロ葉酸
(N5-Methyl-THF)(生成物)に変換します。





MTHFR遺伝子に問題があると、
図の左下のHomocystein⇒Methionin
の変換がうまくいかずに、
ホモシステイン濃度が上がるということだと思います。
他方メチオニン濃度が低下します。

ホモシステインとは、
血液中に含まれるアミノ酸の一つで、
血漿中の総ホモシステイン量が増加すると、
動脈硬化の原因となると言われています。

一方、
メチオニンとは硫黄を含んだ含硫アミノ酸で、
肝機能を高めたり、
アレルギーの原因となるヒスタミンを抑える働きが
あるそうです。

硫黄基を持っていますので、
水銀の排泄にも関わりますね。

ですから、自閉症の子どものたちの多くに
MTHFR遺伝子の異常が見られるらしいのですが、
これは低メチオニン血漿によって、
水銀の排泄がうまくいかないせいかもしれません。

ワクチンに含まれるチメロサール(無機水銀)とか、ね。

怖いですね。


さて、MTHFR遺伝子には
677C/677C
677C/677T
677T/677T
三つの多型が存在し、
特に677T/677Tの型を持つ人の
酵素活性が低いということがわかっているそうです。

私たちは両親から1対ずつの
遺伝情報を受けついでいます。
それがTとかCとかいう塩基です。

677T/677Tの型を持つ人は、
全体の11.8%いるとのことです。

結構いますよね。


上述の通り、解毒に関わる遺伝子は、
他にもたくさんありますので、
複合的に健康に影響を及ぼすんだと思います。


先日記事にした通り、
APOE遺伝子には、
E2,E3,E4型があり、
E2>E3>E4の順で解毒能力が高いそうです。

APOE2型を持っている人は、
日本人の6.4%存在していて、
この人たちはどれだけ毒を入れても、
アマルガムがたくさん口の中にあっても、
異物を見極めてどんどん対外に排泄するんだそうです。

こういう人は、
この毒にまみれた現代社会でも、
パワフルに活躍できるのでしょう。

うらやましい限りですね。

「タバコは百害あって一利なし」
などと言いますが、
こういう人にとっては該当しない
などとも言われているようです。

将来、「この遺伝子型を持っている人は、
タバコ非課税」
などという時代が来るかもしれません。笑


ちなみに、E3は日本人の71.9%
E4は日本人の21.7%
いるんだそうです。


ということで、
遺伝子検査で固体差を把握し、
解毒能力が低いのであれば、
やはり毒を極力入れない生活習慣が
重要になると思います。




医科歯科連携診療普及協会
事務局 岸正浩