時に西暦2006年。
冬。 と言うにはまだまだ暖かい12月上旬の話である。
昼間の喧騒も一段落し、頬に当たる風も黄昏を感じさせる頃、
或る大学の研究室に長い影がすっ と一筋伸びる。
人の気配が全く無い ピン と張り詰めた独特の空気を壊すことなく、
なめらかなメゾ・ソプラノが響き渡る。
助手「教授~。」
決して狭い研究室ではないのだが、ガラクタとしか見られないモノがいたる所に散らばっている。
きっと人が5人も入れば息苦しくなるであろう、その乱雑な部屋を彼女は丹念に調べている。
よほど几帳面な性格の持ち主なのであろう。
助手「教授~。 いないんですか~?」
その時、申し訳ない程度に取付けられている研究室の窓からふっ と西日が差す。
今まではっきりとはわからなかった彼女のすがたがオレンジ色の光によって映し出される。
助手「どこに行っちゃったのかしら。 これから大事な会議があるのに…。」
年の頃は20代前半であろうか。
美しく整った顔立ちではあるが、どことなく表情に幼さが残っている感じがする。
教授「…をい!」
まさしく『立てば芍薬・座れば牡丹・歩く姿は百合の花』である。
教授「…をい!」
助手「耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び………って教授!!」
教授「いったい何をやっているんだ?」
助手「い、いや。 何もしていませんよ。 …そ、そうだ、会議。 会議ですよ、教授。」
教授「会議は今、行ってきたぞ。 っつかそのモニタの文章は何だ?
昨日徹夜で書いてきた『はじめの●歩』のプロットと随分違うようだが…。」
助手「消しましたよ。(キッパリ)」
教授「…消したって?」
助手「だから、アレは嫌だって言ってるじゃないですか。」
教授「…ふっふっふ。 そんな事もあろうかと、しっかりバッ…」
助手「バックアップなら消しましたよ。 もちろんそこにあったCD-Rも破棄しておきました。(ニッコリ)」
教授「…。」
助手「そんなわけで、私が代わりの原稿書いておきましたから。 更新しておきますね☆」
教授「ちっちょっと待て。 そんな嘘八百な文章をUPするわけにはいかな…」
助手「問答無用! っつうか、全部真実だから。 …な? 」
教授「どこがじゃ~! そもそも、君は前半は前半でも3…」
ごグガしゃガっサブしュ!!
~以下数十行、諸般の都合並びに乙女の恥じらいにより割愛~
助手「え~。 教授が未確認飛行物体により殲滅されるという痛ましい事故(?)がおきました。
本件は科学特捜隊及び地球防衛組の合同捜査によって、現在調査中です。
しかし、生八橋にあんな使い方があったとは…。 まだまだ世の中奥が深いね。
そんなこんなで、またまた本編が始まらなかったわけですが…。
次回こそ、教授が改心してアレ以外のネタを第一回に持ってくることを祈ってね☆
それじゃ。 送信! 」