市民救命で社会復帰2倍超 AED普及の有効性実証 | 医学ニュースの深層

市民救命で社会復帰2倍超 AED普及の有効性実証

 病院外で心停止した人に、気付いた市民が公共の自動体外式除細動器(AED)を使うと、救急隊員が到着後に使ったときに比べ、社会復帰できた割合が2倍以上になるとの調査結果を京都大の石見拓助教(救急医学)らのチームがまとめた。

 18日付の米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに発表、石見助教は「AED普及の有効性を初めて実証できた」とした。

 チームは、消防庁の2005~07年の全国データをもとに、病院外で心停止し、心臓に電気ショックを与え蘇生させるAEDを受けた約1万2千人を調査。

 脳への障害がなかったり少なかったりして1カ月後に社会復帰できた率は、近くにいた市民から受けた約460人では約32%だったが、駆け付けた救急隊員が最初にショックを与えた約1万1700人では約14%で、実施までの時間が短い方が有効だった。

 また、人が住んでいる(可住)面積1平方キロ当たりのAED設置が4台以上の地域は、1台未満の所よりも社会復帰率が4倍近くに増加した。(47News)


コメント:


 大変、社会的インパクト・意義のある臨床研究だと思う。

研究デザインも、しっかりしている。

 だから、NEJM誌というトップジャーナルに載る。

これと、Lancet誌については、日本の医学研究者の論文掲載は年間を通して稀。

・・・なので、これらに1つでも論文が載れば、まあ、大抵の日本の医学部医学科で、良いポストに恵まれる・・・と「経験者」は語る(笑)。


 まあ、今回の論文の社会へのインプリケーションとしては、緊急予算措置を行い、AED設置の最適配分を早急に行うこと!・・・ちゃんとみてる?民主党幹事長の小沢さん。心疾患の既往歴がある、あなた個人にとっても非常に重要なことだと思うが・・・。


 追加・・・あっ、それから、このブログを見てるマスコミの皆さんへ。

こういう研究をこそ、1面でとは言わないが、社会面・総合面で大きな扱いで載せれば?正直、今、開催されている日本再生医療学会発表の「くだらない」基礎研究記事ばっかりをこれでもかと載せるよりは・・・。一般のおっちゃん、おばちゃん、お兄ちゃん、お姉さんは、そういうのは興味ないし、わからないよ。よっぽど、臨床に近いすごい発見とかでない限りはね・・・。


そして、上記のような「コメント」(特に上記の2段落目)を書けばいいのにねえ(笑)。