血液検査値、遺伝子で違い 東大・理研が共同研究 | 医学ニュースの深層

血液検査値、遺伝子で違い 東大・理研が共同研究

 ABO式の血液型を決める遺伝子の違いにより赤血球の数や酸素と結合するヘモグロビン量が異なるとの研究結果を、東京大と理化学研究所の研究グループがまとめた。

 血液検査の20項目に延べ89の遺伝子が関連し、このうち46は新規に分かった関係。B型の人は血液が濃く、特に女性は、ほかの血液型より貧血のリスクが約21%低いことなどが判明した。7日付の米科学誌ネイチャージェネティクス電子版に発表した。

 理研の鎌谷直之ゲノム医科学研究センター副センター長は「酒を飲んでいないのにガンマGTPが高い人がいるが、遺伝子の違いによるとみられる。従来の基準値を見直し、個人ごとの基準値の設定が必要だ」と指摘している。

 がんや糖尿病、心筋梗塞などの患者1万4700人分の遺伝子情報や血液の検査値をコンピューターで解析。遺伝子には、人によって塩基配列がわずかに違う「多型」があり、多型による検査値の違いを調べた。(共同)


コメント:


 大変興味深い研究成果です。

B型の血液の女性は、貧血リスクが21%低いとのこと。


 たとえば、C型肝炎の患者さんにインターフェロン(長時間作用型)+リバビリンを投与すると、特に、リバビリンのおかげで、貧血が発現し、だいたい20%の患者が治療続行不可能になる。

 このような貧血による治療未完例は男女で差が無かったが、今回の研究を参考にB型女性では、どうなるのか?ちょっと、Retrospective研究をしてみようか・・・な。